美容外科話

COLUMN

刺青切除・刺青除去レーザー

二の腕のタトゥーは消せる?上腕(二の腕)の刺青切除の症例ビフォーアフター4選

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方々に心より感謝いたします。

症例1:上腕(二の腕)の刺青(タトゥー)切除、あれこれ。

同じ場所の刺青であっても、柄や大きさによっても差異がありますし、また、柄が斜めなのか縦なのか、あるいは横に入っているか等によっても切除の仕方に違いが生じます。

そこで、今回は同じ場所でも違う柄の刺青の切除をした2人の方をご紹介いたします。

写真1,2,3
写真1,2,3

写真1,2,3の方は左上腕に王冠の刺青が入った方です。

このような場合は一度で切除しようとすると、皮膚が寸足らずになってしまいます。

皮膚の伸び方や伸びる方向は非常に個人差がありますので、術前の触診が大事です。

この方の場合は斜め方向の皮膚の伸びが良かったため、斜めに切除することとしました。

切除に際しては皮膚のしわ方向を見極めて、なるべくその方向に切除デザインをすることにより、傷がきれいに治るような工夫をします。

この方の1回目の手術が終了した時点での状態をお見せします(写真2)。

一見、もう少し頑張れば、1回で切除できるように思えるかもしれませんが、もう少しと思って頑張ると皮膚が寄らないという状況に追い込まれてしまいます。

2回目の手術が終了した状態をお見せしますが、このように1本の傷で、切除が出来ます(写真3)。

テーピングしていたテープの糊がついていますので、若干見難いですが、テーピングを続けていただければ、数か月間後、次第に傷も落ち着きます。


写真4
写真4
写真5
写真5
写真6
写真6

次の方は、左上腕に半周以上の刺青が入った方です。
この方の場合は、1回で切除可能です。

これは上下幅があまりないために、切除して寄せることが可能だからです。ただし、すべての方が1回で切除可能という訳ではなく、皮膚の伸び方に個人差がある事はもちろんです。

タトゥー・刺青除去の治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
http://dr-yamamoto.com/cost/

症例2:【二の腕の刺青を1回で切除】傷跡のビフォーアフター写真

刺青切除のご質問で一番多いのは、何と言っても時間と治療費に関する事です。

したがって、現場の医師としては、いかに短期間で安価に手術を済ませるのかということも重要です。

では、1回で切除しきるように頑張ってしまえばよいのでしょうか?切除する柄が大きければ大きいほど残った皮膚を寄せ合わせる距離が大きくなってしまいます。

したがって必然的に1回で切除出来る範囲には、限界があります。

これを知らずに手術をすると、術後に傷跡が開いてしまうというようなトラブルが起こってしまうことがあります。

患者さんの中には、『私がデザインするので、そこで切って下さい』ということをおっしゃる方にお会いすることがあります。確かに、切除というものは切り取って縫い合わせるだけなのですが、どのように切り取るかはプロとしてのセンスが重要です。

今回は2人の方をご紹介したいと思います。同じ場所ですが、柄の形状や大きさが全く違います。
はじめに、比較的小さな刺青切除の方をご紹介します(写真1,2)。

BEFORE
術前
AFTER
術後

このような場合は当然のことながら、一度で切除が可能です。

しかし、まっすぐ上下に切ってしまうと、傷が目立ってしまいます。ですから、なるべく傷が目立ちにくく治るように斜めに切るなど術前のデザインにも気を遣います。


術前
術前

次の方は、同じ場所ですが、男性で皮膚が伸びにくく、柄も大きいという点が異なります。

しかし、このような方も1回での切除が可能です(写真3,4)。

術後
術後

このような場合も単純に直線に切除するだけでなく、ジグザグやカーブを利用するという特殊な方法で切除することにより傷が目立ちにくく治ることが期待できます。

抜糸直後
抜糸直後

この方の抜糸直後(写真5)をお見せしますが、比較していただくと、
このように少しずつ傷が落ち着いていくというのがお分かり頂けると思います。

いつも書きますが、どのような手術でも担当医の手術技量というものが手術の結果を左右します。たかが切除、されど切除。担当医の技量を見極めたうえで手術を受けられることをお勧めいたします。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/

症例3:【二の腕のタトゥー・刺青の切除】男女別の経過のビフォーアフター写真

患者さんの中には、刺青切除は、『切って縫うだけだから、どこでやっても同じじゃないんですか?』とおっしゃる方にお会いすることがあります。

確かに、同じ形に切り抜いて同じように縫い合わせれば、非常に似た術後経過を取ることが多いのですが、皮膚の伸び方の判断の仕方等に職人的に違う部分がありますので、全く同じ結果が出てくるわけではないのです。

また、縫合の際の皮膚を拾う幅や、糸の締め具合でも経過が異なります。

当院で刺青切除の多い場所として、二の腕(上腕)があります。

二の腕は、医者の縫合技術が出やすい場所でもありますので、1回で切除するにもプロとしての工夫やこだわりがあるということをご紹介したいと思います。

まず、切除と一口に言っても、その方向やどのような形で切除するかというデザイン段階で工夫が必要です。

単純に切ってしまうと、傷のツッパリ感や傷口の治り方に違いが生じることがあるからなのです。

今回は、同じような柄の男女2人の方をご紹介したいと思います。

はじめに、女性の方をご紹介します(写真1,2)。

BEFORE
術前
AFTER
術後

このような場合は一度で切除が可能です。

しかし、まっすぐに同じ幅で切除しようとすると、一番広い部分(大きい文字)に切除幅を合わせなくてはなりませんので、こういう場合は少しカーブしたデザインにて皮膚切除幅を小さくするように工夫します。


写真3
写真3

傷が落ち着いて来ると、目立ちにくくなっているのが、お分かりいただけると思います。

手術直後の様子(写真3)をご紹介しますが、このように腫れで皮膚が膨らんだように見えます。

写真4, 5
写真4, 5

次に、似たような柄の男性の方をご紹介(写真4, 5)しますが、先ほどの方と同じように文字によって上下幅がありますので、カーブしたデザインを採用しています。

男子の場合は、皮膚が硬いので、傷が落ち着くまでに時間がかかるのが一般的です。

皮膚縫合は、真皮縫合という特殊な縫い方を併用するのが、一般の胸やお腹などの内臓手術の際の縫い方と大きく異なる点ですが、この『見えない部分』にプロとしてのこだわりがあります。

このように単純に見える手術でも、担当医のこだわりや腕が手術結果に影響しますので、術前によく吟味したうえで手術を受けられることをお勧めいたします。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/

症例4:【タトゥー・刺青切除による傷跡】切開傷の経過を写真付きで解説

以前から私のホームページには、手術の実際等を載せてきましたが、“術後の経過を見せていただけませんか?”

“傷はきれいに治りますか?”等々経過についても診察中に聞かれることが多いので、今回は刺青切除をした方の経過の写真を例にとり、実際の傷の経過について御説明しておこうかと思います。

今回、写真を使うことを許可して頂いた患者さんには、この場をお借りして深く感謝いたします。

例によって、これはあくまで“私の手術”ですので、術後の経過も若干の相違があることはくれぐれも忘れないで下さい。

切除直後
切除直後
縫合直後
縫合直後

この方は、左の上腕に刺青があり、私が切除いたしました。

切除直後の傷の状態をお見せします。

(写真1)写真を見るとお分かりいただけると思いますが、“切った傷”という感じがします。
抜糸をすると皮膚が若干伸びますので、本人としては“突っ張った感じが軽くなった”という感じになると思います。

(写真2)まだ、“痛々しい”感じになっていますね。
傷は、抜糸した後の処置が肝心で、通常は御自分で傷に対して直角に24時間体制でテープを貼っていただくことにしています。


これは、どこかの話で少し書いたかもしれませんが、皮膚はゴムのような物で、伸びようとしますので、何もしないでいると傷口の皮膚が伸びてしまい、傷の幅が広くなってしまうからです。

皮膚が安定するのには、体の場所によって時間の格差がありますが、3ヶ月から半年間が必要です。

従って、傷口は術後半年間位テーピングが必要ということになります。

写真3
写真3

1ヶ月後に来院された時の写真をお見せしますが、“傷口が赤くなっている”のがお分かりいただけると思います。

(写真3)このように傷はいったん赤くなるのが、一般的です。この赤くなる期間には個人差がありますが、通常は半年から1年で、ピークは3ヶ月から半年です。

この方も徐々に赤みは引いてきましたが、この期間には、かなりの個人差があります。

写真4
写真4

さらに6ヶ月の時点で来院された時の写真をお見せしますが、傷の赤みは大分少なくなっていました。

(写真4)先程お書きしましたように、傷にはテーピングをしていただいたので、写真の中に傷と直角のテープの貼り跡があるのが、お分かりいただけると思います。

以上が、傷の大体の経過ですが、

1.一度赤くなり、だんだん色が落ち着いていくこと

2.傷の安定のためには、テーピング等の術後のお手入れが必要であること

がお分かりいただけたと思います。

また、上腕、前胸部はケロイドの好発部位ですので、医師の腕と関係なく“汚く治ってしまう”こともあります。

こうした事も含めて、術前に担当医から話を良く聞くようにして欲しいと思います。

“手術は切ってしまえば終わり”と誤解されている方に多くお会いしますが、今回の話で、そうでもないということを分かっていただければ幸いです。

タトゥー・刺青除去の治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
http://dr-yamamoto.com/cost/

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。
http://dr-yamamoto.com/contact/

私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
http://ameblo.jp/yamaclistaff

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

関連する症例