はじめに、このお話にご協力いただいたモニターの方にはこの場をお借りして深く感謝いたします。
カウンセリングで『切開法だと傷が残りませんか?』というご質問をよく受けます。
傷が全く残らないというのは言い過ぎかもしれませんが、お化粧をしていない状態で、ほとんどわからない状態になるというのが、現実的です。
もちろん、全ての方が同じ経過を取るわけではないのですが、ほとんどの方がこのようになります。
いつものコラムでは、術後1ヶ月や3ヶ月の方をご紹介していますが、今回の方は術後6ヶ月経過していますので、非常に参考になると思います。
(傷の仕上がりをお見せするために、患者さんはお化粧をしていません。)
術前の状態と術後6カ月の状態と比較していただくと、二重まぶたになったことで、感じはかなり変わっていますが、『閉眼時の傷は、ほぼ分からなく』なっています。
手術で二重まぶたになっていますので、普段アイプチをしていらっしゃる方でなければ、周囲にばれずにというのには無理があると思いますが、初対面の人に手術したことがばれることはないと思います。
手術についてですが、皮膚の余りが覆いかぶさっていますので、皮膚切除をする必要があります。
また、まぶたの厚さもありますので、脱脂の必要性も術前の段階で想定されます。
術前のデザインと術中の状態をお見せしますが、これだけの皮膚切除が必要になります。
脱脂の判断が難しいこともありますが、切開を加えた段階で、このようにたっぷりと脂肪がある場合には、脱脂をしないと二重のラインが浅くなり、ぼやけた感じの目になってしまうので、脱脂を合わせて施行します。
この方の術後5日目抜糸時の状態をお見せしますが、腫れのために二重の幅が広く、目の形も不自然に見えます。
このような状態から落ち着いていきますので、初めて手術を受けられる方は心の準備が必要かもしれません。
また、傷口も抜糸の時は“段差がある”ように見えるかもしれませんが、最初にお見せしたように、全く段差もなく奇麗に治ります。
このような傷口の経過は、担当される先生の腕が出ますので、術前に担当される先生の手術症例の閉眼時もきちんと見せていただく必要があります。
いつも同じような事を書いていますが、術前に担当医の腕を評価することも患者さんには大事なことだと思います。
カウンセリングで『切開法だと傷が残りませんか?』というご質問をよく受けます。 傷が全く残らないというのは言い過ぎかもしれませんが、お化粧をしていない状態で、ほとんどわからない状態になるというのが、現実的です。 今回の方は術後6ヶ月経過していますので、非常に参考になると思います。
【二重切開で顔を明るく】40代の女性の経過を画像で紹介
色々な話の中で、腫れるだの、痛いだのと書いていたら、“実際どれくらい腫れるのか見せて欲しい”と言われる事が多いので、来院された方には術後の経過を写真でお見せします。
しかし、インターネットに公開するとなると、患者さんに見せるのは構わないといってくださる方も“インターネットはちょっと”と断られてしまいます。
そのためなかなか実際の患者さんの写真を公開出来なかったのですが、先日、ある患者さんが快く“私は出しても構いませんよ”と言ってくださったので、この話の中に載せる事にしました。
彼女にはいわゆるモニターをお願いした訳ではないので、この場を借りて深く感謝の意を示します。
二重切開のビフォーアフター
では、早速それぞれの写真に関しての解説をして行こうかと思います。
術前:41歳女性。二重の幅をしっかりさせて、顔を明るくという希望でしたので、年齢的なことも考慮して二重の切開法による手術をすることにしました。
二重の幅を単に広くするよりも、目頭を微妙に切開した方が綺麗なラインが出るのと、目がすっきりとした感じになると思いましたので、二重切開と目頭切開を計画しました。
術後5日:これがいわゆる腫れた状態です。術中に私が少し出血させてしまったので、出血した血が降りてきて、下瞼に皮下出血となってしまっています。
上手く行くとこの皮下出血が出ない事もあります。
術後2週間:先日お会いした時の写真です。
腫れは少なくはなったとはいえ、まだ腫れています。
今後腫れが落ち着いて二重の幅が若干細くなると予想されます。
以上が、大まかな経過ですが、人によっても経過がまちまちで、これは一例にすぎません。
ただ、私の患者のいわゆる平均的な経過だと思いますので、参考になるのではないでしょうか?
また、これはあくまでも私の患者さんなので、先生によっても経過が違うと思いますので、術前によく見せてもらって下さい。
よく、術前と術後の写真だけが載せているクリニックを、見かけますが、現実的に重要なのは時間的な経過なのではないでしょうか?
切開法二重、目の上のシワ取りの実際
最近、私のポリシーを誤解されている患者さんにお会いするのですが、“患者さんは客(カスタマー)ではない”というのが私の考えです。
つまり“自分の後悔がない治療を好きな先生にしていただく”という考えですので、お客のように、“その気にさせて、なるべく買ってもらう”というような態度は全くとっていないつもりです。
ですから、時として“他院を勧める”ことや、“私が手術をするのをお断りする”ことがあるのはその為です。また、このホームページのルーツも色々な患者さんに本当の事を知ってもらうのが目的ですので、この方向に進んでいるつもりです。
したがって、“キャンペーン”なるものは当院では一切やりませんし、スタッフにも医学的な質問の答えを電話でさせないようにしています。
またくどい前置きをしてしまいましたが、今回は切開法について説明しようかと思います。実は、術式の詳細をネットに載せるのはどうかとも思っていたのですが、埋没法や、ワキガの手術の写真について、一部の患者さんから“分りやすかった”とのコメントもいただいたので、今回も具体的な事を書いてみようかと思います。
切開法の二重と目の上のシワ取りは共通する手技も多く、途中で違いの説明を加えれば分かり易いと思いますので、まとめて説明してしまいます。
まず、術前にどのようなラインを作るかをよく相談して座位にてデザインを決めます。この方はシワもとるので切り取る皮膚のデザインが書いてあります。
また、麻酔は皮膚に直接刺す局所麻酔で行います。(写真1)アメリカの先生方は静脈麻酔を併用していましたが、患者さんが寝てしまうと、途中で目を開けてもらえなくなり、目の微妙な感じを調節出来なくなるので、私は局所麻酔を好んで使用しています。
でも、実際はあまり痛くないようなので、現実的にも必要ないのではないかと個人的には思っています。
皮膚を切除(両者の相違点は、ここだけで、二重の場合はあまり切りません)すると、眼輪筋という筋肉があります。
この筋肉を二重の折曲がりの邪魔にならないように若干切除(術者の経験による目分量)します。(写真2)
次に黄色いものが見えていると思いますが、これが目の上の脂肪です。
よく二重の時に厚ぼったいので脂肪も抜いたと言われるのがこれです。(写真3)この脂肪をよけると、その下に瞼板があります。
この瞼板を見つけたら、あとは皮膚縫合しながら、瞼板(実際には瞼板より微妙に浅い組織)に糸をかけて行きます。
この際に、埋め込み式の糸を使う先生と使わない先生がいますが、私は使っていません。
皮膚縫合を終了した時点での閉眼時の様子ですが、二重切開の場合はもう少し傷が短くなることが多いと思います。(写真5)
術直後に目を開けていただいた時の写真ですが、埋没法よりも手術直後から腫れるのが分かっていただけると思います。(写真6)
以上が簡単な説明ですが、何となく分かっていただけたでしょうか?
切開法は埋没法と違って、“失敗が許されない”手術ですし、術者の“腕”が出る難易度の少し高い手術ですので、どのような医療機関で受けるかを十分に検討されることをお勧めします。
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