鼻尖軟骨縫縮術の個人差
今回は、同じ鼻尖軟骨を縛る手術をして、どの程度個人差があるのかをご紹介したいと思います。このお話にご協力いただいたお二人のモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。
まず、変化が分かりやすいので、下から見上げた形をそれぞれお見せしたいと思います。
どちらの方も鼻尖の幅が狭くなり、高さが高くなっているのがお分かりいただけると思います。
では、なぜこのような個人差が生じてしまうのでしょうか?
鼻尖の手術は、鼻尖軟骨を折り曲げ、縫い合わせるという作業と、皮下組織(鼻尖軟部組織)の切除が手術の中心となります。したがって、鼻尖軟骨の形、大きさや皮下組織の厚さによって効果の程度に差が出ます。
今回のお二人を比較していただくと、初めの方は、皮下組織が薄く軟骨の大きさも大きいので、術後の形の変化がよりはっきりと出ています。
術前診察で、“どのくらい効果が出そうですか?”というご質問をよく受けますが、鼻尖をつまんだ触診で判断し、ご説明しています。また、“鼻尖が上を向きませんか?”という質問も以前よりよく受けますが、今まで行っている私の術式で、上を向いた方はいらっしゃいません。
これは、教科書や手術書に載っているやり方と私が行っている方法が違うからなのです。
こう書くと、“山本法ですか?”と質問されそうですが、これはアメリカの先生が行っていた方法に準じているので、私のオリジナルとは言えません。
ただ、日本で同じ術式を行っている施設を見たことがありませんので、『珍しいやり方』かもしれません。
今年から、学会主催の手術講習会が始まりましたが、鼻尖の講習の時に他の先生方にもお見せしたいと思っております。
ここで、お二人のモニターの他方向からの術前術後をお見せします。
鼻筋が通り、鼻が高くなった”ように見えると思います。
時々同じことを書きますが、同じ名前の手術でも医療機関によってやり方が違うこともありますので、術前によく担当医から説明を受けることが大事だと思います。
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/
鼻尖軟骨縫縮術後の腫れの個人差
『鼻先を縛る手術では、どの程度腫れますか?』というご質問をよく受けますが、『一般的な経過の方』と『よく腫れた方』をご紹介しますので、イメージをつかんでいただきたいと思います。
鼻尖軟骨縫縮術後の術後経過
症例1
まず、最初の方の術前と術後1か月の状態を比較していただきたいと思います。
鼻尖の幅が狭くなり、高さが高くなっているのがお分かりいただけると思います。
術後5日目の抜糸時の状態ですが、腫れがあまり出ていないことがお分かりいただけます。
このように『一般的な経過の方』ですと、周囲から気が付かれることもなく手術を受けることが可能です。
症例2
次の方の術前と術後5日目抜糸時の状態を比較していただきたいと思いますが、術前よりも鼻尖の幅が狭くなり、鼻が高くなった効果は出ているものの、皮下出血があるのがお分かり頂けると思います。
この方は、経過として『よく腫れた方』です。
腫れ方の個人差について
では、なぜこのような個人差が生じてしまうのでしょうか?
鼻尖の手術は、鼻尖軟骨を露出させ、皮下組織(鼻尖軟部組織)を切除するという工程を経て完成します。
この皮下組織を切除する際の出血に起因するものかと当初は思っていたのですが、最近では術後の生活(飲酒をしてしまった、お風呂に長く入ってしまった等)や、ご本人の体の個人差が原因であると思っています。
今回のお二人の方を比較していただくと出血した方の場合でも、数日後には、お化粧で隠せる範囲になることがほとんどですので、現実的には、問題にならないと思います。
以前のお話でも書きましたが、依然として“鼻尖が上を向きませんか?”“他院では絶対に上を向くと言われました”というご質問もよく受けますが、私の行っている術式で上を向いた方は、今までにいらっしゃいません。
これは、一般的に行われている術式と違い、軟骨自体の形を変えるためなのです。ですからこの術式をきちんと書くと『鼻尖軟骨形成、縫縮、皮下組織切除術』ということになります。
同じ名前の手術でも医療機関によってやり方が違うこともあります。
術前のカウンセリング時に、ご自分の納得できるまで、よく担当医から説明を受けることが何よりも大事だと思います。
写真では分かりにくい?鼻尖軟骨縫縮(軟骨縛り)の効果
私の鼻尖軟骨縫縮(軟骨縛り)術は、一般的な術式と異なりますので、一部の先生方から山本式と命名してはと言われます。
ただこれは、アメリカの先生の術式を参考に、日本人用にアレンジしたものなので、あえて自分の名前を付けていません。これを機に折を見て学会で話してみようかと思っています。
さて、この手術に関して『変化はちゃんと出ますか?』『他院で、鼻先が上を向くアップノーズになると言われたのですが』というご質問を、患者さんや、教えている先生方からも数多く受けますが、私の術式は、教科書にあるやり方とは違いますので、アップノーズにならずに、きちんと効果が出ます。
この手術効果と、症例写真としてフラッシュをたいてしまうと変化が分かりにくいかもしれないということをご紹介したいと思います。今回はお二人の方をご紹介します。まずお一人目の方の術前と術後3ヶ月の変化を比べていただきたいと思います。
鼻筋が通ってすっきりとしていますが、写真ではそこまでの変化が感じられないかもしれません。これはフラッシュを正面から照射してしまうために、影の出来方が変わってしまい、立体感に差が生じるからなのです。
よく見ると、小鼻の形、鼻の穴の位置や形、鼻先の形に変化がある事がお分かり頂けると思います。また下から見上げた状態では、鼻先が高くなり、鼻筋が細くなったことが非常に分かりやすいと思います。
さらに、『術後すぐに元に戻ってしまうと聞いたのですが』というご質問もよく受けます。
私の患者さんの経過も今回は術後3か月をお見せしますので、きちんと効果が持続しているのがお分かり頂けると思います。
これは、軟骨を成型するという独特のプロセスを術式に盛り込んだためで、今のところ後戻りした患者さんは一人もいません。
次にお二人目をご紹介しますが術前(写真7,8,9)と術後3か月(写真10,11,12)を比較していただくと先の方のようにアップノーズにならずにきちんと効果が出ているのがお分かり頂けると思います
今回は、お二人をご紹介しましたが、この術式の傷がつかない利点と手術効果を認識していただければ幸いです。
この手術は、一般的な鼻尖軟骨縫縮術、鼻先縛りといった術式とは異なり、今までの欠点を克服した新しい術式であると考えています。
私の講習会に参加された先生方には、手術のやり方を実際にお見せして、術式の普及を図っているところです。
大きな変化は望まないけど、しっかり効果が出ないのもちょっとという方には非常にお勧めの術式です。