最近感じるのですが、私が数年前にインターネットで、術直後の状態や糸が付いた写真を載せ始めた時は一部の先生からは、そこまで患者さんに見せる必要はないのではないか?等のご指摘も頂いたのですが、最近では術後に腫れないとの宣伝文句も減少し、また術後ノーメイク写真をも使われるようになってきたので、私がこのホームページを書いていることも少しは意味があるのかもしれないと思っています。
今回、この話に写真を提供していただいた患者さんには、この場をお借りして深く感謝いたします。
例によって、これは私の手術ですし、目頭切開の術式自体もいくつかありますので、一つの術式として参考程度に考えていただけたら良いのではないかと思います。
今回は、手術自体の説明は、省かせていただき、全体的な流れについて説明してみようかと思います。
まず、麻酔ですが、局所麻酔ですので目頭に直接針を刺します。この瞬間が痛いようです(写真1)。
以前に書いたように、蒙古襞に切れ目を入れて縫い合わせる訳ですが、皮膚をハサミで切り取り、切れ目を入れると皮膚が開きます(写真2)。
この切り具合と中の組織の切除の仕方によって開き方を若干調整します。
最近、私の外来で、“内側の靭帯の処理はどうするのですか?”と非常に専門的なご質問を受けましたが、靭帯自体がどのようなものかを分かっていらっしゃらなかったので、この機会に皆さんにもお見せしようかと思います。
ピンセットでつまんでいる白い部分が靭帯です(写真3)。
靭帯は目を内側に引っ張っているひもみたいなものですので、これを縫い縮めることにより目を中央に寄せることが出来るのですが、通常はこの処理よりも皮下の組織を調整することを私は好んでやっています。
この後は、皮膚を縫い合わせるのですが、この様子は第51話を参照していただけたらと思います。
インターネットで勉強された方から、このように細かい質問も受けるようになったのですが、私は個人的に良い傾向だと思っています。
また同時に間違った知識を頑なに信じている方にもお会いしますが、担当医の言葉が信じられないと手術は成り立ちませんので、患者さんには術前の担当医との術前診察を非常に大事にしていただきたいと思います。
また、最近見えた方で、“紹介状がないと診てもらえないので他院の紹介状も書いてもらえますか?”というような方がいらっしゃいましたが、紹介状を書くことは問題ありませんので、この様な場合にはいらして下さい。
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/
【目頭切開】当院の実際の手術例を解説します
最近、目頭切開の事をよく聞かれるので、実際の写真を入れて、具体的な話を書いておこうかと思います。
まず、目頭切開は“蒙古襞”を切開するのが目的なので、“蒙古襞”のない西洋的な顔をしている人には“必要の無い”術式で、決して全員に適応があるわけでは無いことを覚えておいて欲しいと思います。
先日いらした方が、“二重にするなら、目頭切開も、と他院で勧められた”とおしゃっていましたが、その方には切る程でもない蒙古襞があるだけでしたので、目頭切開をしなくても二重になることをご説明しました。
このように我々サイドの説明の仕方が悪いのか、患者さんが時々混乱を招いている気がしてなりませんし、時として医療機関の“トッピング的な”セールスを感じられることさえあります。
目頭切開は、切りすぎると非常に修正の難しい事態になってしまい、最悪の場合は“外に出られなくなってしまうような顔”になってしまうこともあるので、術前には担当医(実際に手術をする先生!)とよく話し合っていただきたいと思います。
前置きはこのくらいにして、目頭切開には内田法、Z形成術、平賀法等といった様々な術式があります。各々の術式について細かく書くのは、一般の方にとっては意味の無いことですので、ここでは私が好んでやる内田法の術式をご紹介しておきます。
術前の写真(写真1)を見ていただくと分かりますが、蒙古襞が突っ張っているので“たぬき目”のような感じになっています。ここに小さな三角形を二つ分の皮膚、皮下組織を切除します。
こうして出来た三角形の穴のところに、切れ目を入れた皮膚を押し込んで縫い合わせます。
細かい作業工程は分からなくても結構ですが、術前に比較して、ぎざぎざに縫い合わせたのが分かると思います。
ここの糸がついた状態(写真2)を見ていただくと分かると思いますが、この術式はほとんど“腫れません”。しかし、抜糸まで(5日間から7日間)は糸が付いていて不自然なので、人に会うのは難しいと思います。
術後抜糸直後の写真(写真3)を見ていただくと分かりますが、“なんとなくすっきりした”感じになります。
傷跡の赤い感じは2週間位持続しますが、たいていの場合、アイメイクでごまかせる程なので、抜糸翌日には社会復帰が可能なのではないかと思います。
以上が簡単な実際の説明ですが、分かっていただけたでしょうか?
この話では、写真をお見せするのも一つの目的ですが、“安易に目頭切開を受けて、変な顔にされないよう”に担当医との打ち合わせが、他の手術以上に大事だということを皆さんに分かっていただくのが、もう一つの目的でもあります。
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【目頭切開】効果についてのよくある質問にお答えします
例によって、これは私の手術ですし、前回のお話でもご紹介したように、術式自体もいくつかありますので、参考程度に考えていただけたら良いのではないかと思います。
今回は、術式の説明は、省かせていただき、場合によっては、前回の第51話と一緒に写真を見ていただくと、傷をどのように縫い合わせて、抜糸後(今回の写真)の傷がどうなるかが理解しやすいのではないかと思います。
まず、術前の写真を示しますが、蒙古襞が張っていて“つっぱったような感じ”になっているのが分かると思います。
の襞に切れ目を入れて縫い合わせる訳ですが、術後の目の形が“横長になった”のがお分かりいただけると思います。
このように部分的に少し切っただけでも、目の感じがかなり変わります。
そのため、大きく切ってしまうと取り返しのつかない事態を招いてしまうのです。
私の外来にいらっしゃる目頭切開の修正の方の中には
1.切りすぎてしまった
2.縫合の傷がきたなくなってしまった
という2通りの場合がありますが、特に1.の場合には、非常に修正が難しいので、術前には、くれぐれも担当医と打ち合わせをして、失敗の無いようにして下さい。よく、“患者さんのプライバシーに関わるので、写真は一切見せられない”と他院で言われたというような方にお会いします。
しかし、“担当医の腕が分からずに受ける手術程恐いものは無い”と私は思います。
この方は、術後1ヶ月が経過していますが、術直後の写真(第51話)でもお分かりいただけるように、“あまり腫れない”手術ですので、術後すぐに効果が実感出来るのではないでしょうか?
また、抜糸(術後5日から7日)後翌日からお化粧も可能ですので、切る割にはダウンタイムの少ない手術だとも言えます。このようにある意味で“気楽な手術”なのですが、修正が最も難しい手術の一つですので、くれぐれも良く検討した上で手術を受けられるようにお勧めいたします。
最近、インターネットの普及で、反対に間違った知識を鵜呑みにしている方にもお会いしますので、患者さんには術前の担当医の診察を非常に大事にしていただきたいと思います。
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