はじめに、このお話にご協力いただいたモニターの方に深く感謝いたします。
私の外来では、『閉眼時の傷が気になる』という方が多くいらっしゃいます。
また、『眠たそうに見える』という相談や『二重の幅が広すぎる』という相談も相変わらず多く受けます。
当院は、こうした修正手術を積極的に行っています。
手術によりストレスを抱えてしまった方々の、お役に立てれば私の医者としての存在価値があると考えているからです。
また、こうした修正手術に対応できる能力がないにもかかわらず、医師に安請け合いされて他院にて修正手術をされ、術前より悪化させられた方にお会いすることも増えましたので、修正手術として難易度の高い方にお会いする機会も増えました。
修正手術は、その特性上、高い技術が要求されますので、私も更なる修行を重ねたいと思っております。
さて、今回は閉眼時の傷修正と、さらに、眠そうで、プックリした感じの二重が気になるという複数のお悩みをお持ちだった方をご紹介したいと思います。
まず、術前の状態と術後5か月後の状態をお見せいたします。
閉眼時の傷の凹み(特に目頭側)が改善され、二重のプックリ感もなくなり、“パッチリとした”のが、お分かりいただけると思います。
切開重瞼術の凹みは、凹み方を均一にして組織の量を均等に調整して修正します。
また、手術による軽度の眼瞼下垂も認めますので、これも同時に修正する必要があります。
さらに、二重の切開ラインの形状が不自然さを助長していますので、切開ラインも修正してデザインします。
デザインも重要な修正要素になります。修正デザインをお見せしますが、前医による左右差がありますので、開眼時、閉眼時の状態をよく検証して、左右差をつけて修正デザインをしてあります。
このデザイン能力も修正医には必須だと思います。
修正手術の際は、“落ち着くのに時間がかかる”という事が特徴です。
とくに閉眼時の傷の凹みが改善するには時間がかかります。
この方の術後1か月の状態をお見せしますが、この時点では、目の不自然さと傷が目立つかもしれません。
術前に『術後、すごく腫れますか?』とよく質問されますので、術後5日目抜糸時の状態もお見せしますので、参考にしてください。
切開二重を修正する!
この方のご相談内容は、『睫毛から二重までの部分の皮膚が膨らんだ感じが気になる。』というものでした。
当院は、こうした修正手術の方が集まる日本でも有数の施設ではありますが、こうしたちょっとした修正手術は、実は非常に難しいという事を御紹介したいと思います。
術前の状態と術後3か月後の状態をお見せいたします。
写真では、フラッシュを使うと感じが変わってしまいましたので、フラッシュを使わない状態もお見せしておきます。
術後は、目の開き方、左右差、ご本人が気にされていた皮膚の状態が改善されたのがお分かりいただけると思います。
この状態を作るためには、
1.皮膚切除
2.挙筋腱膜の位置同定、剥離
3.挙筋腱膜の再固定
4.二重ラインの再作成
という工程を経なくてはなりません。
挙筋腱膜を露出した状態(写真4)と上記の二重ラインの再作成が終わった状態(写真5)です。
次にどこがどのように変わったのかが、写真の中に私が線を引いた写真でご説明致します。
処置前の状態(写真6)では、本来挙筋腱膜のある位置(オレンジ色の線)が上方に移動し、黄色線の位置にまで移動してしまっているのがお分かり頂けると思います。
これを処置(写真7)して黄色線の位置にまで戻したことがお分かり頂けると思います。
このように修正手術では、諸々の作業をしなくては形状的な改善は見込めませんので、『皮膚を切り取って、修正出来ます』と言う医者には、注意が必要です。
いつも書いおりますが、術後は腫れますし、左右差も出ることが稀ではありません。
この方の術後5日目、抜糸時の状態もご紹介したいと思います。
二重の形状が変になり、矢印で示した部分は特に引き込まれ方が強く、ご本人としても相当不安だったと思います。
また、術後1か月の状態もお見せしますが、まだまだ腫れぼったさも解消されていないと思います。
術前に『相当腫れます。左右差も出ます』と申し上げることが多いのですが、この時期は患者さんとしても担当医を信用して、我慢強く経過を待っていただきたいと思います。
このような状況に我慢出来ずに、他院にて修正手術を受けてしまわれる方にお会いすることもありますが、よくお考えになる事をお勧めします。
口だけで『うちなら出来る』と安請け合いした後に、『これ以上は改善しない』と言ってしまう先生には、くれぐれもご注意ください。
いつも同じような事を繰り返し書いておりますが、術前カウンセリングでは、このようなことで悩まないように手術される先生が担当された症例写真を見せていただくことを強くお勧めいたします。
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/
他院で受けた二重切開の修正
二重のカウンセリングをしていると、“切開法なら自由にデザインできますよね?”というご質問を多く受けます。
一般の方の認識では、切開法はどんな二重でも作れて取れないという事なのでしょうね。
いつも書いていますが、私は、切開法、埋没法に関わらず、自由自在に目の形を作ることは不可能だと思っています。
元の目の形を無視して、デザインというものは成り立ちません。
とくに目のデザインに影響を与えるのは、瞼板の形です。これは軟骨ですので、軟骨の形を変える事が出来ないからです。
ですから、患者さんの希望をお聞きした上で、可能な範囲でデザインを行っています。
さて、今回の方々に話を戻しますが、始めに他院で切開法を受けたのだが、何となくぼんやりとした感じになってしまった方をご紹介します。
術前と術後の状態を比較していただくと、二重の形もですが、二重の線とまつ毛の生え際までの皮膚が弛んでいたのが解消されたのがお分かりいただけますでしょうか?
このような仕上がりになってしまうのは、二重の幅を広げようとして切開ラインを広くデザインしすぎる事により、二重からまつ毛までの距離が長くなって、この部分の皮膚が弛んでしまっておきます。
したがって、このような場合は、
1.二重の固定場所を変える
2.余っている皮膚を切除するという修正手術が必要になります。
この方の抜糸時の状態もお見せしますが、切開重瞼術の場合と 腫れはあまり変わりません。
他院で、このような状態の治療として二重の固定をより強くするという修正手術を受けられた方にお会いすることがありますが、固定を強くすると血流が悪くなりますので、皮膚が浮腫んで悪化するだけです。
修正手術は、簡単に見える場合でも難易度が高いので、担当される先生が実際に行っている症例写真等を見せていただくなどして、担当医は慎重に選んでいただきたいと思います。
似たような状態で、修正手術でない私の患者さんの術前と術後1か月をお見せします。
仕上がりの二重は、左右ともそろった感じになっていますが、もともと左右差がある方なので、左右対称にデザインすると左右差が強調されてしまいます。
この方の術前のデザインをお見せしますが、左右差を考慮して、皮膚切除の量も変えてあるのがお分かり頂けると思います。
こうしたデザインにも担当医のセンスが必要ということもご理解の上、手術を受けていただきたいと思います。
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/
ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/
また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
https://ameblo.jp/yamaclistaff
当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/