美容外科話

COLUMN

眼瞼下垂
第133話

涙袋を作る!!脂肪注入、ヒアルロン酸注入

涙袋は、目の印象に影響を与えるために、希望する方も多い手技だと思います。現在の治療法には、シリコン挿入、脂肪注入、ヒアルロン酸等の注射が挙げられると思います。今回は、脂肪注入の方とヒアルロン酸注入の方を同時にご紹介したいと思います。この話にお写真を提供して頂いたモニターの方々にはこの場をお借りして深く感謝したいと思います。

まず、脂肪注入の方の術前(写真1, 2)と術後1カ月(写真3, 4)の状態変化を比べていただきたいと思います。“目の感じが若干変わった”のがお分かりいただけると思います。
脂肪注入は、注入した脂肪すべてが生着する訳ではないので、術前にその旨をご説明しなければなりませんが、この生着率には個人差があり、注入脂肪の大半がそのまま生着することもありますので、注入量は迷うところです。この方の場合、術直後から不自然にならないような量を注入することとしました。
BeforeBefore
AfterAfter

術後5日目の状態(写真5, 6)をお見せいたしますが、術後1カ月の状態と比較しても、あまり変化がないのがお分かり頂けると思います。また、この状態で、出血や腫れもほとんどないのですが、実は“皮下出血”を起こす確率の方が多く、この方は“非常に順調な”経過で、これから手術を受けられる方の参考には、あまりならないかもしれません。

After
これと比較して、ヒアルロン酸注射の方の平均的な経過をお見せしますが、施術前(写真7, 8)と施術直後(写真9, 10)を比較して頂ければお分かりいただけますが、あまり腫れていないと思います。また手術と違い、非常に簡単に施行できるのが最大の魅力ですが、吸収されてしまうのが、最大の欠点でもあります。
涙袋を作る際に、どのような手技を用いるのかは、患者さんのニーズをお聞きするのが大事なことだと思いますので、担当される先生とよくご相談する必要があります。各々の長所や短所をよくご理解の上、治療を受けられるようにして下さい。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。