美容外科話

COLUMN

眼瞼下垂
第76話

【眼瞼下垂とは?】その原因と対処手術を分かり易く解説

外来で、よく“私は眼瞼下垂ですか?”と質問されることがあります。

これに対して、話を書こうと思っていたのですが、なかなか適当な写真がなくて困っていました。

今回術中に御承諾をいただき写真を提供していただいた方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

まず、眼瞼下垂がどういうものかを簡単にご説明して、二重と眼瞼下垂の違いについて述べてみようかと思います。

例によって、これは私の手術なので、施設によって若干の術式の相違はあるかと思いますが、これは美容というよりも機能回復の手術ですので、あまり違いがないのではないでしょうか?

話がそれてしまいましたが、瞼は眼瞼挙筋が瞼のフレームである瞼板を持ち上げたり下げたりすることによって開いたり閉じたりしています。

例えて言うなら、垂れ幕が紐でつるしてあり、紐を持ち上げると垂れ幕が一緒に動きますが、この紐にあたるのが、“挙筋”で、垂れ幕にあたるのが“瞼板”です。

眼瞼下垂の方は、この挙筋と瞼板が離れてしまって
(実際には他の状態もありますが、簡略化しています)

挙筋が上に移動するのに、瞼板が一緒に移動せず、開きが悪くなっています。

もちろん、これらが完全に離れていては、“目が開かない”という状態になってしまいますが、
実際にはこの二つの間に介在する組織によって瞼が動きますので、“開き難い”という状態になっています。

したがって、治療法は“この離れてしまったものをくっつける”という事をします。


挙筋と瞼板の間にある組織
挙筋と瞼板の間にある組織

実例の方が分かりやすいので、写真を示しますが、挙筋と瞼板が離れていて、その間に薄い組織があるのが分かります(写真上)。

この離れてしまったもの同士を結びつけるのが目的ですが、写真の中で青いピンセットで示しているのが挙筋の縁です(写真下)。

挙筋(瞼板)と皮膚をつなぐ
挙筋(瞼板)と皮膚をつなぐ

挙筋と瞼板の縁に紫色で印をつけましたが、これらの部分を、それぞれ縫い合わせます(写真上)。

縫合が終了した状態を写真で示します(写真下)が、これで挙筋と瞼板が一体化して“筋肉が持ち上がることによって目が開く”という本来の機能を回復した事になります。

二重はこの挙筋ないし瞼板と瞼表面の皮膚をつなぐことにより、“目を開いたときに皮膚が引き込まれて”出来るので、二重を作るためには、挙筋(瞼板)と皮膚をつなぐという、さらなる操作を加える必要があります。

したがって、“眼瞼下垂の手術をしただけでは、二重にならない”という事になります。

ただ、通常は眼瞼下垂の手術をした際に二重を作るので、この二つの手術が一般の方には混同されているのだと思います。

当然の事ながら、担当医はこの二つがきちんと分かっているはずなのですが、術前の説明では、あえて“あなたは眼瞼下垂なので、眼瞼下垂の手術をしなければいけません”と説明され、高い手術(一般的には、二重の手術よりも高額)にされてしまう方もいるようです。

当然の事ながら、担当医はこの二つがきちんと分かっているはずなのですが、術前の説明では、あえて“あなたは眼瞼下垂なので、眼瞼下垂の手術をしなければいけません”と説明され、高い手術(一般的には、二重の手術よりも高額)にされてしまう方もいるようです。

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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。