美容外科話

COLUMN

目頭切開
第126話

目頭切開、傷の赤み

目頭切開の話は、今まで何回か書いていますので、新しいことは御紹介出来ませんが、相変わらず外来で“傷の赤みは、どの程度ですか?”という御質問を受けます。また、この御質問に対して、いつも“お化粧で隠せる程度ですよ”と御説明してきました。ただ、どの程度赤くて、どの程度化粧をすると隠せるのかということについては、コラムではあまり触れていませんでしたので、今回はこのことについて書こうかと思います。この御写真を提供していただいたモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

 
最近では、インターネットの普及のために、目頭切開の術式についても時々 “内田法ですか、平賀法ですか?”というような専門的なご質問をされる方にもお会いするようになりました。このように術式自体の情報が増えたにも関わらず、術後の詳細な経過に関しては、まだまだ画像が不足しているようにも思えますので、機会を見つけてこのような御写真を御紹介出来ればと思っております。
BeforeBefore
AfterAfter

まず、術前と術後2週間のお化粧をしていただいた状態を御覧下さい。術前(写真1, 2)と比べると術後(写真3,4)の状態変化がお分かりいただけると思いますが、お化粧をしていただくと“傷は目立たない”のではないでしょうか。

After
ここでお化粧を落とした状態をお見せします(写真5, 6)。傷の赤みは、まだ分かると思います。この赤みがお化粧をしていない状態でも目立たなくなるのは、術後約1ヵ月が必要だと思います。他の話で“目頭切開の術後は、あまり腫れない”という御紹介をしているのですが、傷の赤みに関しては、患者さんにとっては重要な問題だと思います。最近は、男性の患者さんも増えて来ましたので、“お化粧で隠れる範囲”という表現では不十分になってきたと思っております。
今回は、傷の赤みについて書きましたが、このような点も含めて術前に担当医から十分な説明を受けることをお勧めいたします。

『美容外科話』著者

  • 1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。