美容外科話

COLUMN

刺青切除・刺青除去レーザー

【うなじ(首)のタトゥー・刺青を切除】傷跡の経過写真でビフォーアフター2選

症例1:切除施術のビフォーアフター

首のタトゥー(刺青)切除は、お腹のように皮膚の余裕がなく、かつ動く場所ですので切除が難しいということが特徴です。

さらに、タトゥー(刺青)の形や大きさによって、切除の仕方が異なりますので、医師の経験とセンスが要求されます。

まず、術前と切除が完了した状態をお見せします。

BEFORE
術前の状態です。
AFTER
切除完了後の状態です。

このような場合は、図柄が大きいわけではないのですが、皮膚の伸びる方向、動く方向を考え合わせると、1回で切除というのは、無理だと思います。


写真3
写真3

特に、矢印で示した部分の長さが長いために、これを単純に切除して縫ってしまうと、傷口が開いてしまいます。

この様な場合は、複数回に分けて切除するという『分割切除』を利用します。

『分割切除』は、一度手術して、残った皮膚が伸びるのを待ち、伸びた分だけ切除するという手法で、1回では切除できないものによく使われる方法です。

写真4
写真4

先にも書きましたが、花柄の部分が、1回での切除を妨げていますので、1回目の手術が終わり、皮膚が伸びた時点で花柄の部分を切除するようにします。

この初回の手術時に、次回の手術内容も想定して、切除デザインが出来るか否かが非常に大事です。

これを間違ったデザインで切除してしまうと、次の手術で切除が完了しないばかりか、引き連れを起こし、首が動きにくくなるという事さえ起り得ます。

写真6
写真6

1回目の手術が終了した状態をお見せします。

術前の計画通りに、花柄の部分だけが残った形になりました。

これを2回目の手術により切除して、先にお見せした状態になりました。

タトゥー(刺青)切除は、一見“簡単な”手術に見えるかもしれませんが、このように『デザイン力が要求される』こともある手術だと認識していただきたいと思います。

いつも同じような事を書いていますが、担当医の能力を判断することも、術前に欠かせないプロセスだと思います。

症例2:傷跡の経過写真でビフォーアフター

うなじの刺青について、当院では消したいと相談にみえる方が多いので、私としては案外入れている方が多いように感じています。

うなじの刺青は、髪形で隠すことが出来るため人目にはほとんど触れず、入れている方に気が付くことが少ないようですが、海外では、ファッションとしてこの場所に刺青を入れるのは、珍しいことではないので、日本人も入れている方が多いのでしょう。

ただ、日本の風習では、不都合な事があるようです。

特に私のところにいらっしゃる方で多いのは、『髪をアップに出来ない』という方です。

洋装、和装に関わらず、髪をアップにする機会が多い結婚式やパーティー、また、プール、温泉等の『髪の毛を必然的に上げざるをえない状況』で、不都合を感じ当院に相談にみえます。

今回は、案外一般的な刺青の部位なのですが、なかなか画像として見る機会も少ないようですので、これをご紹介したいと思います。

この方の、術前(写真1)と2回の切除が完了した状態(写真2)をお見せします。

BEFORE
術前
AFTER
術後

皮膚に余裕がないので、1回で切除するのは、難しいのですが、2回に分けると切除が可能となります。


1回目の手術が終了した状態
1回目の手術が終了した状態

1回目の手術が終了した状態(写真3)をお見せしますが、2回目の手術で切り終わることを考えながらデザインをしています。

ここに、形成外科的な皮弁や皮膚の移動の知識と経験が要求されます。

1回で切除出来ない場合、1回目の手術後に皮膚は継続的に引っ張られますので、残った刺青の大きさや形状に変化が出ますので、この変化を術前に想定しながら、手術を計画することが大事だと思います。

『首のところを切って神経とか血管とか大丈夫ですか?』とよく聞かれますが、皮膚しか切りませんので全く問題ありません。ご安心の上、手術を受けていただきたいと思います。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
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当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。