美容外科話

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眼瞼下垂

【眼瞼下垂手術の技法まとめ】二重手術で目の開き方と黒目の見え方を改善

二重手術で、目をはっきりさせる!!眼瞼下垂手術の技法を使う??

まずこのお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。

よく、『埋没法を受けたのだけれども、重瞼ラインが浅くなったので切開法にしたい』という患者さんにお会いします。

埋没法と一言で言っても、その手法は、多岐にわたり、非常に長い糸を埋め込んである場合も稀とは言えなくなっています。

こうした埋没手術を受けられた後の手術には注意が必要です。

というのも、埋没糸を取らないと、その部分が組織を引き込んでしまい、『術後に二重が2本』という三重の状態が出来てしまう可能性があるからなのです。

また、埋没の糸で、組織がかろうじてつながっているという状況もあります。

こうした場合、無造作に糸を摘出してしまうと、『手術による眼瞼下垂』という状態が出来上がってしまいます。

このお話の方の場合、目の開きが若干悪く、黒目の見え方をよくした方が綺麗という観点から、眼瞼下垂手術の手技を使うことにしました。

ここで、『切開法と眼瞼下垂の手術ってどこが違うのですか?』と患者さんに質問されることが多いので、現実的なご説明を少々したいと思います。

眼瞼下垂手術の技法で二重手術

医学的に病的眼瞼下垂と診断するには、ある一定の基準がありますが、美容外科においては、整容的な観点から、『眼瞼下垂手術に使う手技を流用している』というのが、正確な表現だと思います。

ここで眼瞼下垂という状態について詳細な説明をすることは省略させていただき、美容外科領域で二重手術との違いがどこになるのかという点について今回はご説明させていただきたいと思います。

ご説明をする前に、手術前(写真1)と術後3か月(写真2)の状態を比較していただきたいと思います。

BEFORE
手術前(写真1)
AFTER
術後3カ月(写真2)

黒目が少しはっきり見えるように変わったのがお分かりいただけますでしょうか。

この方には、通常の切開法の他に『挙筋腱膜を処理する』という方法を行いました。

本来、眼瞼下垂手術を行う際には、1.挙筋腱膜を処理する方法、2.挙筋腱膜+ミュラー筋を処理する方法、3.ミュラー筋のみを処理する方法等があります。

この挙筋腱膜を処理する方法が美容外科では、黒目を大きく見せる方法として使われていることが、眼瞼下垂と切開法を混同させる原因になっていると私は考えています。

以前、他院修正でご紹介しましたが、この処置を過度に行うと、『びっくり目』になってしまいますので、注意が必要です。


手術前(写真3) 術後3か月(写真4)
手術前(写真3) 術後3か月(写真4)

この方の目を開く能力には、問題がありませんでしたので、術前(写真3)と術後3か月(写真4)を比べて頂いても大きな違いにはなっていないことがお分かりになるはずです。

この『目の開き具合の調整』が非常に大事であるため、手術中に座って頂いたり、寝て頂いたりということを数回繰り返し調整します。

寝てしまいますと、この『微調整』が出来なくなってしまいますので、当院では静脈麻酔での手術を承っていません。

切除幅(写真5)
切除幅(写真5)

術前の状態を見ると、皮膚が余ってこのように見えるかもしれませんが、実際に切除した皮膚幅は、わずかで、皮膚切除で状況が変わっていないことがお分かりいただけるはずです(写真5)。

術前(写真6) 術後3か月(写真7)
術前(写真6) 術後3か月(写真7)

ここで、術後の閉瞼時の傷を術前(写真6)と術後3か月(写真7)で比較して頂きたいと思います。

この傷はさらに改善し、術後6か月では、さらに目立たなくなっているはずです。

埋没糸(写真8) 脱脂(写真9)
埋没糸(写真8) 脱脂(写真9)

さて、せっかくですので、手術中に、埋没糸がどのような状態であったかをご紹介しておきたいと思います。

ピンセットで糸をつまんでいる部分を矢印でも示しましたが、『案外長い』という印象を持たれるのではないでしょうか(写真8)?

また、二重をつくる際に重りのように邪魔をする部分の脂肪も切除しましたが、『目をすっきり見せる』というネットでよく見る宣伝広告ではなく、『見た目には大きく変化しない程度に』切除してあります(写真9)。

こうした調整も担当医によって大きく異なります。

いつも同じことを書きますが、担当医によって手術や、細かい調整のやり方に違いがあります。

よく、『勧められるままに眼瞼下垂手術を受けた』という方にお会いしますが、なぜその処置が自分に必要なのかを、術前に納得した上で手術を受けられることをお勧めします。

※出血シーンが含まれておりますので、閲覧にはお気をつけください。

施術名:埋没後眼瞼下垂

施術内容:目の開きが若干悪く、黒目の見え方をよくした方が綺麗という観点から、眼瞼下垂手術の手技を使うことにしました。

副作用(リスク):腫れが長引くことがある

施術料金:埋没後眼瞼下垂 通常料金¥506,000(税込) モニター¥404,800(税込)

【眼瞼下垂の保険適用】重い一重を二重にするなら自由診療とどちらがおすすめ?

まず、御協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深く感謝いたします。

今回ご紹介するのは、眼瞼下垂手術です。

眼瞼下垂手術に関しては、『保険適応がありますか?』という質問を患者さんから受けることも多いので、このことについて書きながら今回の方をご紹介したいと思います。

保険診療と自費診療について

まず、保険診療というのは、『健康でない状態を健康である状態に戻す』ことが主眼であるという事を理解していただきたいと思います。

したがって、『綺麗な二重に』『二重幅を何ミリで』『二重の形は、末広がり型で』というような形のオーダーには応えなくても良いというのが大前提です。

この点を踏まえ、術前に、『形状の変化については一切請け負わない』というような文面にサインをさせている医療機関もあります。

中には、担当医のこだわりから『形状』についても好みを聞いている医療機関もありますが、これは担当医の『サービス』と言い換える事も出来ると思います。

イメージとしては、外科の医師が内蔵の手術をして、治療するのに似ていて、皮膚を切開し、中の開瞼の能力に関わる腱膜や筋肉を治すことに主眼を置いているのです。

したがって、皮膚切除をせずに、『皮膚切開』で、手術を終了とするという考え方をしている医療機関も多いと思います。

これに対して、自費診療では、『綺麗に仕上げる』という事、『ご本人の希望に合う形状に仕上げる』という点に注力されるのではないでしょうか。

もちろん、先述したように、保険診療でも『綺麗にこだわる』先生方もいらっしゃいますので、術前にどのような考え方をしている担当医なのかを確認する必要性があります。

当院は、保険診療の取り扱いがありませんので、患者さんに保険適応が有るか無いという事は、健康保険取り扱いの医療機関で診察を受けられるようにお願いします。

保険診療の概念をご紹介しましたので、今回の方のご紹介に入りたいと思います。

重い一重の眼瞼下垂手術の術前術後比較

術前(写真1)と術後3か月(写真2)の状態を比較していただきたいと思います。

BEFORE
術前(写真1)
AFTER
術後3カ月(写真2)

眼瞼下垂手術のデザインについて

閉瞼時 術前(写真3)術後3カ月(写真4)
閉瞼時
術前(写真3)術後3カ月(写真4)

この方は、自然でさりげない変化の範囲で手術をして欲しいという御要望でしたので、黒目の見え方を改善させると同時に、二重の幅を狭めにデザインしました。

閉瞼時の術前(写真3)と術後3か月(写真4)を比較していただくと、傷の赤みが残っているものの、傷の凹みはほとんどなく仕上がっている事がお分かりいただけるはずです。

デザイン(写真5)
デザイン(写真5)

どの程度の幅で、二重を作ったのか、また皮膚切除をどの程度したのかをデザインでお見せします(写真5)。

術中の様子について

切除脂肪(写真6)
切除脂肪(写真6)

この方は、上眼窩脂肪が多く、開瞼の際に『重り』のように作用してしまいますので、このような場合は、『すっきりさせる』という目的よりも『重い分だけ軽くする』という概念で脂肪を切除しています。

この脂肪切除に関しても担当医の感性が現れるところだと思います(写真6)。

術中(写真7)
術中(写真7)

次に挙筋腱膜とミュラー筋を分けて挙筋腱膜を移動するという作業に入るのですが、この時に如何に出血させずに手術を勧めるのかというのが大事です。

写真の中で黄色い矢印で示した部分が挙筋腱膜、黄緑色の矢印で示した部分がミュラー筋で、ほとんど出血させていないことがお分かりいただけますでしょうか(写真7)。

処置後(写真8)
処置後(写真8)

この後に挙筋腱膜を固定し、二重の作成をするのですが、写真の矢印で示した皮膚の縁の部分をどのように縫合していくかで『術後に傷が凹むか否かが決まる』と考えています(写真8)。

また、挙筋腱膜の固定位置は、目の表情に大きく関わりますので、座位、臥位(寝た姿勢)を繰り返しながら微調整にいます。

このような微調整をするために、当院では、患者さんが寝てしまう静脈麻酔下での眼瞼下垂手術は請け負えませんので、予めご了承頂きたいと思います。

⇒眼瞼下垂についてはこちらに手術例をまとめております

この方の腫れの落ち着き方や経過に関しては、私の個人ブログにてご紹介予定ですので、そちらも併せてご覧いただければ幸いです。

いつも同じことを書いていますが、同じ手術名の『眼瞼下垂手術』であっても、皮膚切除をしたりしなかったり、脂肪切除をしたりしなかったり、また患者さんを寝かしてしまって、開閉瞼をせずに手術したりと、様々です。術前に、その担当医がどのような考えで手術をしているのかをきちんとご確認されることを強くお勧めします。

※出血シーンがございますので閲覧にはお気を付けください。

施術名:眼瞼下垂

施術内容:この方の場合、自然でさりげない変化の範囲で手術をして欲しいという御要望でした。

副作用(リスク):腫れが長引くことがある

施術料金:眼瞼下垂(二重形成を含む)通常料金¥462,000、モニター¥369,600(税込)

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。

この方は、自然でさりげない変化の範囲で手術をして欲しいという御要望でした。

眼瞼下垂手術で、顔を変えずに雰囲気を変える!!

まず、御協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深く感謝いたします。

眼瞼下垂手術について

今回ご紹介するのは、眼瞼下垂手術です。

眼瞼下垂手術に関しては、修正手術を載せることが多いのですが、一般的な手術で、どのように変わるのかをご紹介したい思います。

簡単に言うと(医学的にはちょっと違うのですが、イメージとしては問題ないと思います)、眼瞼下垂とは、黒目がきちんと見えていないという状況と考えて頂くと、すっきりするのではないかと思います。

眼瞼下垂手術による「びっくり目」の原因

この手術で、修正手術に来られる方のご相談で一番多いのが、『びっくり目になってしまった』というものです。

これは、挙筋腱膜やミュラー筋という瞼を挙げる部分の位置調整に起因することがほとんどです。

また、こうした位置調整には、手術中に寝たり座ったりという体位変換と開瞼閉瞼を繰り返して頂くという事が不可欠だと思いますので、静脈麻酔(寝ているうちに手術が終わる)での手術では、調整が適当になってしまう可能性が生じてしまうという事を患者さんにもわかって頂きたいと思います。

眼瞼下垂手術のビフォーアフター

さて、本題がそれましたが、術前(写真1)と術後3か月(写真2)の状態を比較して頂きたいと思います。

BEFORE
術前
AFTER
術後3ヵ月

私のクリニックには『なるべく顔は変えたくない』というリクエストの方が多く来院されますので、なるべく顔を変えずに、雰囲気を変えるように心がけています。こうした微調整には、先述した体位変換と開瞼閉瞼が不可欠ですので、当院では、静脈麻酔下での眼瞼下垂手術は請け負えませんので、予めご了承頂きたいと思います。


眼瞼下垂手術の皮膚切除のデザイン

デザイン(写真3)
デザイン(写真3)

顔を変えないと聞くと、皮膚切除をしないと勘違いされることもあるのですが、これは、別問題で、適切な量の皮膚切除(もちろん、必要ないこともあります)を行うこともあります。

この方の場合も皮膚切除が必要でしたので、このデザインをお見せします(写真3)。

術中の様子

位置調整前(写真4) 処理後(写真5)
位置調整前(写真4) 処理後(写真5)

手術中の様子もお見せしますが、組織の位置調整前(写真4)と処理後(写真5)の状態を比較して頂きたいと思います。

何となく『すかすかな感じ』が『詰まった感じ』になったのがお分かりいただけますでしょうか?これは、組織の位置が変わってしまい本来の位置にいなくなったものを戻したためです。

このように、内部の状態を適切に処理するという事が非常に大事です。

手術後の腫れの経過

抜糸時(写真6) 術後1ヵ月(写真7)
抜糸時(写真6) 術後1ヵ月(写真7)

最後に、手術後の腫れの変化をご紹介したいと思います。

手術後5日目、抜糸時の状態(写真6)です。二重の形状も浮腫みもあり、まだまだ完成形が想像つかないような状態ですが、手術後の為に患者さんも納得して頂ける範囲だと思います。

ところが、この方の場合、術後1か月(写真7)経っても腫れが残っていて、ご本人としても、不安な状態だと思います。

この様に、腫れが長引くこともありますが、完成形は、手術中に私が確認していますので、信用してお付き合い頂きたいと思います。

術後は、抜糸時、1か月後、3か月後に術後検診に来院して頂くようにお願いはしていますが、不安な時や質問がある場合には、時期を関係なく拝見するようにしています。

修正手術は、経過に時間がかかるということは、何回も書いていますが、初回の手術の腫れ方にも個人差がありますので、『落ち着くのに時間がかかってしまうこともある』という事も認識して頂ければ幸いです。

いずれにしても、手術を受ける際には、担当医との信頼関係が非常に重要です。私の術後は、私の言葉を信じてお付き合い頂きたいと思います。

施術名:眼瞼下垂

施術内容:この方の場合、なるべく顔を変えずに、眠たそうな目を解消する手術を行いました。

副作用(リスク):腫れが長引くことがある

施術料金:眼瞼下垂(二重形成を含む)通常料金¥486,000モニター¥388,800(税込)

【眼瞼下垂とは?】その原因と対処手術を分かり易く解説

外来で、よく“私は眼瞼下垂ですか?”と質問されることがあります。

これに対して、話を書こうと思っていたのですが、なかなか適当な写真がなくて困っていました。

今回術中に御承諾をいただき写真を提供していただいた方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

まず、眼瞼下垂がどういうものかを簡単にご説明して、二重と眼瞼下垂の違いについて述べてみようかと思います。

例によって、これは私の手術なので、施設によって若干の術式の相違はあるかと思いますが、これは美容というよりも機能回復の手術ですので、あまり違いがないのではないでしょうか?

話がそれてしまいましたが、瞼は眼瞼挙筋が瞼のフレームである瞼板を持ち上げたり下げたりすることによって開いたり閉じたりしています。

例えて言うなら、垂れ幕が紐でつるしてあり、紐を持ち上げると垂れ幕が一緒に動きますが、この紐にあたるのが、“挙筋”で、垂れ幕にあたるのが“瞼板”です。

眼瞼下垂の方は、この挙筋と瞼板が離れてしまって
(実際には他の状態もありますが、簡略化しています)

挙筋が上に移動するのに、瞼板が一緒に移動せず、開きが悪くなっています。

もちろん、これらが完全に離れていては、“目が開かない”という状態になってしまいますが、
実際にはこの二つの間に介在する組織によって瞼が動きますので、“開き難い”という状態になっています。

したがって、治療法は“この離れてしまったものをくっつける”という事をします。


挙筋と瞼板の間にある組織
挙筋と瞼板の間にある組織

実例の方が分かりやすいので、写真を示しますが、挙筋と瞼板が離れていて、その間に薄い組織があるのが分かります(写真上)。

この離れてしまったもの同士を結びつけるのが目的ですが、写真の中で青いピンセットで示しているのが挙筋の縁です(写真下)。

挙筋(瞼板)と皮膚をつなぐ
挙筋(瞼板)と皮膚をつなぐ

挙筋と瞼板の縁に紫色で印をつけましたが、これらの部分を、それぞれ縫い合わせます(写真上)。

縫合が終了した状態を写真で示します(写真下)が、これで挙筋と瞼板が一体化して“筋肉が持ち上がることによって目が開く”という本来の機能を回復した事になります。

二重はこの挙筋ないし瞼板と瞼表面の皮膚をつなぐことにより、“目を開いたときに皮膚が引き込まれて”出来るので、二重を作るためには、挙筋(瞼板)と皮膚をつなぐという、さらなる操作を加える必要があります。

したがって、“眼瞼下垂の手術をしただけでは、二重にならない”という事になります。

ただ、通常は眼瞼下垂の手術をした際に二重を作るので、この二つの手術が一般の方には混同されているのだと思います。

当然の事ながら、担当医はこの二つがきちんと分かっているはずなのですが、術前の説明では、あえて“あなたは眼瞼下垂なので、眼瞼下垂の手術をしなければいけません”と説明され、高い手術(一般的には、二重の手術よりも高額)にされてしまう方もいるようです。

当然の事ながら、担当医はこの二つがきちんと分かっているはずなのですが、術前の説明では、あえて“あなたは眼瞼下垂なので、眼瞼下垂の手術をしなければいけません”と説明され、高い手術(一般的には、二重の手術よりも高額)にされてしまう方もいるようです。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
https://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。