まず、今回御協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深く感謝いたします。
当院で、『はっきりとした二重をお願いしたら眠そうな幅の広い二重になった』という方に多くお会いします。
今回は、なぜこうした現象が起きるのか、また修正するのはどうするのかというお話を書きたいと思います。
細かい説明をする前に、モニターの方の術前と術後3か月の状態をお見せします。
二重の幅が狭くなり、はっきりとした感じになったのがお分かり頂けると思います。
この方のご希望は、
1. 傷の凹み、睫毛がめくれた感じ、瞼のプックリ感を治したい
2. 幅を狭くしたい
というものでした。
以前ご紹介した方とご希望が、ほとんど同じである事がお分かりいただけますし、それだけにこういうトラブルが多いことがお分かり頂けると思います。このプックリした感じの原因は二重の作り方(縫合)にあります。
こうした縫合は、瞼板前組織を切除し、瞼板に固定して二重を作るという処置の中でも瞼板前組織を切除することに原因がある事がほとんどと言っても過言ではないかもしれません。
ところが、修正する場合、この瞼板前組織が切除されてしまっていることで、『修正する組織が足りない状態』になっており、修正が非常に難しいということになります。
また、これと同時に「挙筋腱膜」という「目を開けることに非常に重要な部分が一部切り取られてしまっている」ことも、よく見る現象です。
このような場合の修正手術は非常に難しく、
1. 上眼瞼の皮膚をあまり切らないようにデザインする
2. 浮腫の原因となった部分の癒着を解除する
3. 無くなってしまった瞼板前組織の修復を他の組織で補いながら行う
4. 挙筋腱膜の修復を行い、二重を新しく作る
という工程を経なくてはなりません。
少々専門的になりましたが、言葉にしても難しそうに聞こえるのではないではないでしょうか?特に3.と4.の手技には高度な技術が要求されますので、この技術がないと“修正手術によって悪化する”という状態になります。
修正手術のデザインをお見せしますが、皮膚はほとんど切除せずに傷のみを切り取っていることがお分かり頂けると思います。
こうした修正手術では術後すぐに結果が出にくく、また場合によっては悪化したかのごとく見える場合もあります。
この方の術後5日目の抜糸時の状態と術後1か月の状態をお見せしますので、参考にしていただければ幸いです。
術後1ヶ月の時には、それほど改善したように見えないのではないでしょうか?
いつも書きますが、修正手術は、難易度が高いので、担当される先生が実際に行っている症例写真等を見せていただくなどして、担当医は慎重に選んでいただきたいと思います。
私は、なるべく修正希望の方のお役に立ちたいと思っておりますので、このコラムが少しでも参考になれば幸いです。
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