美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術
第151話

二重切開傷の凹み修正の経過

切開二重の傷修正に関しては、何回かご紹介しましたが、今回は傷修正手術の術後経過、特に左右差についてご紹介します。このお話にお写真を提供していたモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

まず、術前の状態(写真1,2)と術後約3ヶ月の状態(写真3,4)をお見せいたします。
BeforeBefore

術前の状態(写真1,2)

AfterAfter

術後約3ヶ月の状態(写真3,4)

閉眼状態での傷の凹みを気にされていましたが、閉眼時の状態をご覧になると、改善されましたが “左目の方が右目より改善されている”のがお分かりいただけると思います。
これを経時的にご紹介しますので、どのように落ち着いていくか、また治癒に時間がかかる事のご参考にしていただけたらと思います。

抜糸時の状態をお見せしますが(写真5,6)、開眼時の二重の幅は広く、形は不自然さがあるものの、閉眼時の傷の凹みは、術後3カ月よりも、むしろ改善されているように見えますが、この閉眼時の状態が良いのは、“腫れている”ためです。

After

抜糸時(写真5,6)

また、術後1カ月の状態(写真7,8)もお見せしますが、開眼時の状態は落ち着いてきているものの、閉眼時では傷の赤みや凹凸が目立つと思います。
After

術後1カ月の状態(写真7,8)

通常の切開重瞼術の経過と大きく違うのは、“落ち着くのに時間がかかる”ということと“左右差が出やすい”事だと思います。特に前医での内部処理等に左右差があると、修正手術後にこの“左右差”を引きずる事になります。
この方も、術前の左右差が術後に出ていますが、今後時間を追うとさらに改善する事が予想されます。
外来で診察していると、“どの程度治りますか?”という質問をよくされるのですが、基本的には“修正は、やってみないと分からない”と思います。これは、皮膚の上から見ただけでは、内部の状態がきちんと把握出来ないからです。

いつも外来でお話しするのですが、最悪の場合は現状と変わりがないか悪化する可能性もありますので、そこまでして修正手術を受けるか否かは患者さんとしても勇気のいる事だと思います。
私は、出来うる限りの処置を術中にしていますが、このような修正手術をなるべく受けずにすむような担当医選びが非常に大事です。
修正手術には、患者さんも担当する医者も忍耐が非常に大事ですので、術前の熟慮を強くお勧めいたします。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。