美容外科話

COLUMN

くちびるを薄く
第139話

顎プロテーゼ(シリコン)の腫れ

顎シリコンの挿入については、以前に書きましたが、今回は、モニターの方にご協力していただき、術後の腫れをご紹介したいと思います。このお話にご協力いただいたモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。まず、術前(写真1, 2, 3)と術後1ヶ月(写真4, 5, 6)の状態を比較していただきたいと思います。
BeforeBefore
AfterAfter

顎が出ると顔がすっきりした感じになると思います。顔全体をお見せした方がもう少し変化が分かりやすいと思いますが、このように部分写真でも変化はお分かりいただけると思います。この方も、他の方にお会いすると“なんとなく感じが違う”と言われるそうです。この方のデザインですが、“人に指摘されないくらいの自然な変化で、はっきりとした効果を出す”ということで考えました。ここで術前デザインをお見せしますが、顔の輪郭を崩さないような大きさで顎が前に出るような高さのシリコンを計画しました(写真7)。

After
術後の腫れの変化をお見せしますが、術後5日目の抜糸時は皮下出血が広がり、顎全体が腫れて、皮膚も一部黄色く変化しているのが分かります(写真8, 9, 10)。この程度には、個人差がありますが、この方は“平均的な経過”だと思いますので、参考にしていただければ良いと思います
After
術後2週間後の状態(写真11, 12, 13)をお見せしますが、腫れは大分治まったものの、まだ腫れが残っているのがお分かりいただけると思います。ただ実生活上は、この位で人前に出られると思いますので、“術後2週間位のダウンタイム”と考えても良いかもしれません。

以前に顎シリコンは長期的にみるとどうかといういような否定的な文章を書いて、一部の患者さんからも心配されましたが、“長期的にフォローをする”ことによって安全性を確保していきたいと考えています。このような理由で、当院では、術前か、術直後に顎のレントゲンを撮らせていただき、1年に1度程度の頻度で骨の形をフォローするようにしています。この方の顎の骨の写真(写真14)もお見せしますが、これで定期的な顎骨のフォローアップが可能です。
長期的に責任を持ってフォローアップしてもらえる医療機関であるかが、この手術のクリニック選びには非常に大事であると思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。