乳頭縮小の術式のご説明は、以前に書きましたが、今回は『授乳機能を残す乳頭縮小術』についてご紹介したいと思います。
このコラムにご協力をいただいたモニターの方に、この場をお借りして深く感謝いたします。
以前に、この手術のやり方には、かなりの数のバリエーションがあるというお話を書きました。
今回は、私が行っている『乳管温存法』をご紹介したいと思います。
術前の状態(before)と術後1ヶ月の状態(after)
まず、術前の状態(before)と術後1ヶ月の状態(after)を比較していただきたいと思います。
術前の状態は“高さ”、“直径”ともに大きいのがお分かりいただけると思います。
術後には、このいずれも改善されていると思います。
手術は、簡単に言うと“芯となる乳管を残しつつ、周りの組織を減らす”ことです。
この組織の切除範囲によって高さや直径を調整します。
実際には、術中に組織を引っ張った感じで少しずつ切除して微調整を加えますので、術者の経験による部分が多いと思います。
術前デザインをお見せしますが、乳頭の一番上に書いた 円から大きい円までの斜線で囲んだ部分が切除した範囲 ですが、“かなり切った割には、思ったほど小さくなって いない”という現象がお分かりいただけると思います。
したがって術者としては、思い切ってデザインする必要がある手術だと思います。
この手術は、術前デザインと仕上がりでは異なりますので、術前の打ち合わせも大まかになってしまいます。
“少しの変化”か“大きい変化”なのかをしっかりとお伝えいただく必要があると思います。
術前の担当医との術前の打ち合わせが大事ということは、いつも書いていますが、この手術は例外的だと思います。むしろ、このような現実を知ってから受ける必要があると思います。
乳頭は傷がきれいに治る場所ですので、気にされている方は手術を受ける意味が大いにあると思います。