美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術
第146話

部分切開二重の修正

部分切開二重の修正手術では、“全切開により修正する”ということが大前提だと思っていますが、今回は部分切開を部分切開で修正した方をご紹介します。
このお話に御写真を提供していたモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

傷の凹み修正が難しいという話は、何回も書いていますが、この方の場合は、傷の凹みの程度が軽度である事と傷が1か所という条件がそろいましたので、部分切開による修正を計画しました。ただ、ご本人には、部分切開での修正手術が奏効しない場合は、再度全切開での修正が必要になる旨をご説明し、ご承諾いただいた状況での手術計画としました。
BeforeBefore

術前です。閉眼時よりも伏し目にした時に 切開部分の凹みが目立ちます

AfterAfter

術後1カ月です。凹みが改善されたのがお分かりいただけると思います

まず、術前の状態(写真1, 2, 3 )と術後約1ヶ月の状態(写真4, 5, 6)を比べますと、術前の閉眼状態でも傷の凹みが分かりますが、伏し目にするとよりはっきりと分かると思います。これが1カ月で改善されたことがお分かりいただけると思いますが、今後も改善し、半年後には、かなりきれいになるはずです。

After
手術のデザインをお見せしますが、皮膚切除は、最小になるように傷の部分のみとし、内部瘢痕組織の処理に注意を払いました。
(写真7)デザイン
After
術直後の状態をお見せしますが、腫れも皮膚切開の範囲を小さくしたメリットが現れています。 (写真8)術直後
After
この方の術後5日目抜糸時の状態(写真9, 10, 11)をお見せしますが、術後1カ月と比べても“あまり腫れていない”というのがお分かりいただけると思います。

このように、術前の修正計画を立てる際は、術後の腫れが最小限になるように気を遣うべきですが、時としてその“気の遣い”が裏目に出て、再度手術をしなくてはならないという状況になる事もありますので、術前に担当医とよく相談することが大事であると思います。
いつも繰り返し書いていますが、このように修正が必要にならないための担当医選びが非常に大事です。部分切開で術後問題になるのは、こうした閉眼状態であることが多いので、担当医から術前説明を受けることを強くお勧めいたします。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。