まず、この話にご協力いただいたモニターの方に深く感謝いたします。
二重切開の修正に関しては、色々なパターンがあります。これまでにも何回かご紹介していますが、今回は切開重瞼術を他院で受けたら、二重が二本になってしまった方をご紹介します。
まず、術前の状態と術後約6ヶ月の状態をお見せいたします。
術前は、二重の上に浅いラインがあり、二重が2本になっていて、さらに皮膚がかぶさり、重い感じになっているのがお分かり頂けると思います。術後はこれらが改善されていると思います。
この方は、写真だけで見ると、大したことが無さそうに思えますが、他院で切開二重の手術を受けられた際に挙筋腱膜(目を開け閉めする大事な部分)を操作されたとのことでした。修正手術は、操作が加わった部分が多ければ多いほど難易度が高くなります。
したがって、このような方は『見た目よりもずっと修正手術が難しい』という事になります。
また、挙筋腱膜の修正を誤ると術後に目が開けにくい感じが症状として出る可能性がありますので、
この部分の修正が出来る能力も要求されます。
術前の治療計画は、
1.二つの傷の間にある皮膚を切除すること
2.挙筋腱膜等の解剖学的な位置関係を修復すること
3.重瞼ラインを新しく作成すること
が想定されました。
術前の皮膚切除のデザインをお見せしますが、左右で若干の差をつけてデザインがしてあります。
このようにデザインにも微妙なタッチが要求されます。
以前にも書きましたが、修正手術が通常の切開重瞼術の経過と大きく違うのは、“落ち着くのに時間がかかる”という事だと思います。
特に前医での内部処理等に問題があると、修正手術後にもこの“くせや形”を数か月間引きずる事になります。
この方の術後1ヶ月の状態をお見せしますが、 この時点でも改善が認識されます。
このように、個人差があり、落ち着くのが早い方にお会いすることもあります。
しかし、術後抜糸時までの間は、例外なく腫れますので、覚悟は必要だと思います。
この方の抜糸時の状態もお見せします。
外来で修正手術の診察をしていると、“どの程度治りますか?”という質問をよくされるのですが、基本的には“修正は、やってみないと分からない”と思います。
これは、皮膚の上から見ただけでは、内部の状態がきちんと把握出来ないからです。
また、術後経過にも今回ご紹介した方のように個人差があります。
修正手術は、担当医の技量によっては悪化する可能性もありますので、初回の手術よりも担当医選びが大事だと思います。
それ以上に、このような修正手術を受けなくて良いように担当医選びをしていただくことを強くお勧めいたします。
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