まず、このお話にご協力いただいたモニターの方々に心より感謝いたします。
いつも書きますが、刺青切除は、治療方法としては非常に単純で、刺青を切り取って縫い合わせるだけです。
ただ、お腹や胸の外科手術の傷と違うのは、皮膚を切除する分だけ皮膚が少なくなってしまうということです。
ですから、どの程度切除出来るのかという術前評価が非常に重要です。
ところが、医師の技量によっては、この術前評価が不十分で、あまりに大きく切りすぎ、皮膚を強引に縫い合わせたために鬱血し、部分的に壊死(腐る)ことも考えられます。特に手や腕はこの術前評価が非常に大切です。
今回は、手背(手の甲)と前腕の方を2名ご紹介し、大きさによって切り方が違うということと、傷の経過を認識していただきたいと思います。
前腕の皮膚は、他の部位と異なり、皮膚の余裕がないので切除が難しいということが特徴です。
また、手背は動く部位なので、どの程度の切除をするかということと、どのような方向に切る(拘縮すると手が握れなくなってします)かが、非常に大事です。
この計画を立てられるか否かで、半分程度『医者の腕が出る』と言っても過言ではないと思います。つまり、切除には、医師の経験とセンスが非常に大事です。
また、患者さんとしては、なるべく早く、安く治療を済ませることが大事ですので、この点も心がけて治療することも担当医には要求される能力です。
まず、1人目の方ですが術前(写真1)と2回の切除手術後(写真2)をお見せします。
この初回手術時に2回目の手術を頭に入れ皮膚の伸び方等を考慮しながら、切除デザインをします。
ここで、そのデザインをお見せします(写真3)。
斜めにデザインすることで、皮膚が伸びやすい状況を作っているのが、お分かりいただけますでしょうか?
次に手背の方をご紹介します。術前(写真4)と術後3か月(写真5)の状態をお見せしますが、この方のような大きさでは1回で切除が可能です。
また、術後の創部の安定が良いと、この方のように、かなり目立たなくなります。
その安定のために、傷口に直角にテープを貼っていただいているのが、テープ跡として写真でもお分かりいただけると思います。
このように、患者さん事態が協力的にテーピングする等を行っていただけると良い結果が導き出されると思います。
さらに、定期的な経過観察として医師も診察を怠ってはいけないと思います。
相変わらず、手術の途中で、『これ以上は、当院では手術できません』と言われて、私のところにいらっしゃる方にお会いすることもありますが、術前、術後も含めてきちんと責任を持ってくれる担当医を選ばれることを強くお勧めします。
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