美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術

二重切開線(へこみ)の修正

切開二重線(へこみ)の修正

今回は比較的多い“切開線のへこみ”について書いてみようかと思います。

切開ラインのへこむ原因としては、
1.眼輪筋の切除のしすぎ
2.二重のラインを作る際の眼瞼挙筋への固定が強すぎる場合
が圧倒的に多いのですが、時として私が想像もつかない状態でへこんでいる方にもお会いします。

上記の2つでは、2.の方がはるかに修正が楽で、しかも頻度も高いと思います。

ただ、前回の話にも書きましたが、その方にどのような手術が行われたかは“想像の域を出ない”ので、実際は難しい手術になることも多いと思います。

今まで、当院でも修正手術を多く手がけてきましたが、結果の良い方、良くない方等様々です。

ただ、毎回感じるのが、“前医がきちんとやっていれば、この手術も手術代金も必要ないのに”ということです。今回、このような悩みの方が多いのに

BEFORE
術前
AFTER
術後

まず、術前の写真ですが、他院にて切開二重の手術を受けたが、二重のラインが瞼の途中で止まっているのと切開ラインがへこんでいるというのが、この方のご相談内容でした。(写真1)術前の開眼時の写真は、ご本人の承諾が取れませんでしたので、使えませんが、上眼瞼の皮膚も少し弛んでいました。

そこで、この方の場合は、
1.弛んでいる皮膚を切除する
2.眼瞼挙筋の固定を甘くする修正手術を計画しました。

術前のデザインは、皮膚を切除するために、若干長め(傷を目尻の方まで伸ばしました)にしました。実際に手術してみると、眼輪筋は切除されすぎずにきちんと残っていて、1.二重の固定が強すぎた2.皮膚をある程度の幅で切除すべきであった事が前医の足りない事であることが分かりました。

手術は、予定通りに皮膚を切除し、挙筋周囲の強い癒着を剥離して終了としましたが、術直後はかなり腫れました。抜糸時は、まだ腫れていました(写真2)が、切開ラインのへこみは改善しているのが分かります。


術後1ヶ月
術後1ヶ月

術後1ヶ月してお会いすると、かなり落ち着いていました(写真3)。

ただ、まだ赤みが残っているのが分かると思います。

この赤みは、数ヶ月の時間を要して、さらに改善されると思われますが、初回の手術に比べると回復時間が必要なのが通常です。

今回、前回とは別の修正手術をお見せしましたが、私としては、“修正手術をする必要が無い様に、担当医選びを慎重にしていただきたい”と思います。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
https://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。
https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

二重切開線(へこみ)の修正、その2

以前、“私が想像もつかない状態でへこんでいる”方にお会いする旨を書きましたが、今回の方は、まさにその状態でした。

BEFORE
(写真1)
AFTER
写真2

まず術前の状態ですが、閉眼時は皮膚がかなりへこんでいるのがわかり、開眼時は二重のラインが不自然な感じがすると思います(写真1,2)。

二重切開線の修正方法について

術中に、それぞれの層を剥離して、さらに付近にある組織を寄せ合わせて、“強引に”底を作ってみました。

術後1週間の抜糸時の状態をお見せしますが、かなり深くまで、また色々な操作を加えたので“かなり腫れて”いて、皮下出血も認めます(写真3,4)。

このように、
1.手術中の操作が多い程腫れ、皮下出血もひどくなる
2.前回の手術の操作が不明だと修正時に苦労する
という事になります。

また、最悪の場合、状態が改善しないこともあり得ます。

ただ、この方の場合は、抜糸の段階で“凹み”は大分改善されたのがお分かりいただけると思います。


写真3
写真3

ちなみに切開した時に確認しましたが、瞼板の前の組織(かなり深いところ)が切除されていてちょうど底が無くなって(下の組織の支えが無くなって)凹んでいました(写真3)。

写真6,7
写真6,7

さらに、術後約2ヶ月後に来院された時の診察時の写真(お化粧をされています)をお見せいたしますが、閉眼時、開眼時ともに術前と比較すれば状態は、改善されたのがお分かりいただけると思います(写真6,7)

修正手術の方で、“あり得ない手術”をされている場合に遭遇する事もあるので、そういう時は“きちんとトレーニングを受けた先生ならこうはならないのに”と思わされてしまいます。

どんな美容手術でも“100%成功”というのは、患者さんの主観もあるので難しいと思いますが、医師の基本的な技術不足による失敗には、憤りを感じてしまいます。

毎回、ホームページを更新していて私が願うのは“患者さんも、きちんとした情報を持っていただきたい”という事です。

この方のように他院で上手く行かなくて来院される方は、写真掲載を許していただける方が非常に少ない(患者さんの心情を考えれば当たり前のこと)ので、全部をご紹介できませんが、“美容外科での失敗は結構多い”という事と“医者選びは慎重に”ということを少しでも多くの方にご理解していただければ、このホームページの存在意味があるのではないかと思っています。

他院の傷修正、二重の傷とフェイスリフトの傷!

まず、今回御協力いただいたモニターの方々にこの場をお借りして深く感謝いたします。

当院では、二重切開修正手術における傷に限らず、『傷を綺麗にしたい』という方にも多くお会いします。

今回は、傷修正と一口に言っても傷によって治療法が違うというお話を書きたいと思います。

まず、フェイスリフト後の傷(脱毛)の方の術前と術後1ヶ月の状態をお見せします。

BEFORE
術前
AFTER
術後1ヶ月

脱毛部分が改善したことがお分かり頂けると思います。

このような場合は、傷を切り取って縫い直すという非常に単純な術式で対応が可能です。


術前(写真4)と術後3ヶ月(写真5)
術前(写真4)と術後3ヶ月(写真5)

しかし、担当医は傷を切り取るデザインに工夫が出来る能力と、再縫合の技術能力が必要とされます。

そのデザインをお見せしますが、縫い合わせる時に各辺がきちんと合わさるようなデザインをすることが重要です。

術前(before)と術後3ヶ月(after)
術前(before)と術後3ヶ月(after)

次に、二重切開、目頭切開を他院で受けられた方をご紹介します。

この方の術前(before)と術後3ヶ月(after)の状態をお見せしますが、傷が落ち着いて来ているのがお分かり頂けると思います。

こうした場合は、単純に皮膚を切って縫い直すというだけでは改善しません。

他院で傷の修正を単純に縫い直す方法で受けたが、改善しなかったという患者さんにお会いすることもありますが、この方法で改善することは、ほとんどありません。

これは、瞼板前組織という部分が切り取られてしまった、いわば『部品不足』の状態が原因だからなのです。さらに、挙筋腱膜という目を開けることに非常に重要な部分が一部切り取られてしまっていることも、原因となっていることがあります。

このような場合の修正手術は、
1.上眼瞼の皮膚を最小限の切除で済むようにデザインする
2.凸凹の原因となった部分の癒着を解除、切除する
3.無くなって空いてしまったスペースを他の組織で補いながら行う
4.挙筋腱膜の修復を行い、二重を新しく作る
5.目頭は、膨らんでしまった傷を切り取りつつ、形状を改善させるデザインで再縫合する
という工程を経なくてはなりません。

デザイン
デザイン

言葉にしただけでも難しそうに聞こえると思いますが、実際に高度な技術が要求されます。したがって、修正する技術がないと“修正手術によって悪化する”という状態になります。

修正手術のデザインをお見せしますが、皮膚は、ほとんど切除せずに傷のみを切り取っていることがお分かり頂けると思います。

こうした修正手術では術後すぐに結果が出にくく、また場合によっては悪化したかのごとく見える場合もあります。

いつも書きますが、修正手術は、難易度が高いので、担当される先生が実際に行っている症例写真等を見せていただくなどして、担当医は慎重に選んでいただきたいと思います。私のコラムが、修正手術を考えられている方々の少しでも参考になれば幸いです。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

関連する症例