美容外科話

COLUMN

小鼻縮小
第107話

小鼻縮小(全切開)の実際

小鼻縮小(全切開)の話は、今まで書いたことがありませんでしたが、今回モニターの方の御協力を得ることが出来ましたので、術式と経過についてご説明したいと思います。お写真を提供していただいた方に、この場をお借りして、深く感謝いたします。
BeforeBefore
AfterAfter

まず術前と術後1ヶ月の状態です。術前(写真1, 2, 3)と術後(写真4, 5, 6)の状態変化は、わかり易いのではないでしょうか。手術としては、読んで字の如く小鼻を小さくするものです。以前、傷を表面につけないXplasty、少ししか傷が見えない小鼻縮小(内側切除)については、ご説明いたしましたが、この術式には触れていませんでしたので、今回は、小鼻縮小の“傷が一番大きい”術式をご紹介したいと思います。
小鼻を小さくするか否かは診察中に決めることとして、術式を内側だけ切るものと外側まで切るものをどのように使い分けるのかというと、非常に簡単ですが、“外側の小鼻が大きいかどうか”によるのだと思います。したがって先生によって、術式が変わる手術の一つです。また患者さんの希望が、大きく切除しなければ実現しないような場合は、全切開の適応となります。

After
術前に患者さんとよく相談し、どれくらいを切除するかを決めますが、術後の状態を示しにくいので、説明には苦労します。また切除する皮膚のデザインでは、カーブの程度等に術者の好みやセンスが反映されると思います。この方のデザインをお見せしますが、ペンで書いた部分を外側から内側にかけて切除します(写真7)。

手術は局所麻酔下に行います。デザイン部分を切除した後に縫合していくわけですが、この縫合に若干のコツが必要で、慣れないと鼻が歪んでしまう場合があります。また傷が鼻の外側に付くますので、丁寧に縫合しないと傷が目立ってしまいます。このように、小鼻の手術の中では、デザインから縫合まで“医者の腕が一番出る“手術だと思います。
After
術後5日目の抜糸直後の状態もお見せいたしますが、一見あまり腫れていないように見えると思います(写真8, 9, 10)。しかし、よく見ると術後1ヶ月に比較して“腫れている”のがお分かりいただけると思います。
After
今回は、小鼻縮小をご紹介いたしましたが、このように表面に傷をつける場合には、特に担当医と患者さんの信頼関係が大事だと思います。術前診察にて“信頼できる医師”を探すことが何より大事だと思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。