はじめに、このお話にご協力いただいたモニターの方々にはこの場をお借りして深く感謝いたします。
私の外来では、目頭の切開は控えめにしても雰囲気は変えたいという方に多くお会いします。
インターネットの普及とともに、目頭を大きく切ると
・外人のように顔全体の感じが変わる
・目の赤い部分が見えすぎると恐く見え
というお考えの方が増えたからなのでしょうか。
今回は、控えめな手術でも目の雰囲気をどのように変えられるのかをお二人の施術例でご紹介したいと思います。
目頭切開の術式自体にも、複数の物が存在します。
どの術式が良いか等は、術者の考え方によるところも多いと思いますが、私は傷を小さく、形が調整できるという観点からW変法を好んでいます。
患者さんから、『W法とW変法では、何が違うのですか?』というような質問を受けることがありますが、両者の違いは靭帯の処理にあると思います。
私が行っているW変法では、靭帯の縫縮処理をしませんので、縫い縮めた部分が、伸びて後戻りすることがありません。
また、形の微調整が術中に出来るという点でも優れていると思います。さらに靭帯縫縮をしないために、腫れが少ないことも特徴です。よく患者さんから何ミリ切るのですか?というご質問を受けるのですが、個人的には、その数字よりもご本人の顔に合うようなデザインをどのようにするのかということの方が、大事だと考えています。
また、目頭切開をすることにより、目の横幅が変わる、目の開きが若干変わりますので、こうしたことも頭に入れてデザインできる能力が担当医として何よりも大事だと思います。
目頭切開は、切りすぎてしまうと修正が困難ですので、術前にきちんと担当医と打ち合わせをしたうえで手術を受けられることをお勧めします。