美容外科話

COLUMN

二重切開
第158話

二重切開のデザインと腫れ

まず、この話にご協力いただいているモニターの方には、この場をお借りして、深く感謝いたします。
術前(写真1・2)の状態です。ご希望は、目頭側の二重の幅を広げ、はっきりとさせることです。
術前Before

術前(写真1・2)

手術後1カ月After

切開法術後1カ月(写真3, 4)

切開法術後1カ月(写真3, 4)です。
二重の幅が広がり、はっきりとした目になりました。(ホクロは、他院で処置されたそうです)

外来で“なるべく広い二重にして下さい”という御要望を時々受けます。日本人の平均的な目では、閉眼時の幅で瞼の縁から10mm程度が限度というのが美容外科医の認識であると思います。ただし、これはあくまで平均的な数字なので、もちろん例外も想定されます。
では、なぜこれ以上幅を広くデザインすることが少ないのかというと、目を開ける挙筋が上手く動かなくなり目が開き難くなってしまうこともあるからなのです。
ここで、狭い幅の二重の手術をした場合と広い幅の二重手術をした場合の一般的な経過の違いをご説明しますが、二重の幅を広くすると
1.腫れる期間が長く、腫れ方が強い 
2.傷の治る時間がかかる  
という事だと思います。この方の場合も他の方(私の他のコラムをご参照下さい)に比べると傷の治り方が遅い事に気が付きます。

ここで、この方の抜糸時の状態(写真5, 6)をお見せします。

After

抜糸時の状態(写真5, 6)

二重幅の狭いデザインの方に比べると、腫れが強く、目が開き難い感じがお分かりいただけると思います。
術後のこのような状態の時に“私の手術は失敗ですか?”というご質問を受けることもありますが、幅の広い二重を希望される場合には、“時間的な余裕が必要”ということを頭に入れていただく必要があると思います。診察中に“他のクリニックでは、もっと腫れないと聞きました”とおっしゃる方にお会いする事もありますが、“術後経過の写真も見せていただいた方がいいですね”というアドバイスを差し上げるようにしています。
術後の経過には個人差がありますが、このような経過も含めて担当される医師と十分な相談をすることをお勧めいたします

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。