美容外科話

COLUMN

鼻尖形成(軟骨縫縮・移植)
第152話

鼻尖軟骨縫縮術の経過

今回は鼻尖軟骨を縛るだけでどの程度の効果が出るかをお見せしたいと思います。女性と男性を同時にご紹介しますので、これから手術を受けようと考えられている方のご参考にしていただければ幸いです。このお話にご協力いただいたモニターの方々には、この場をお借りして深く感謝いたします。
BeforeBefore

がすっきりとして鼻筋が通ったように見えます。

AfterAfter

鼻尖軟骨縫縮で、よく質問されるのが、“縛るだけでは元にもどりませんか?”というものと“軟骨の間の組織は取っていただけるのですか?”という質問です。
このことを説明するに当たり、簡単に術式についてご紹介したいと思います。
1.切開を両側の鼻の穴の中に加えます。したがって、傷口は術後に外から見えないということになります。
2.鼻尖軟骨の周囲を剥がして、軟骨を動かしやすくします。この際に十分に剥がされてないと、術後に元に戻るという現象がおきます。
3.左右の軟骨の間にある組織を切除します。この組織を切除せずに結び合わせるとこれも元に戻る原因となります。
3.剥がした左右の軟骨どうしを結び合わせます。この時、単に結ぶとこれが元に戻る原因となることがあります。私はこの段階で一度軟骨に癖をつけるような工夫を施して(この作業は、先生によると思います)結んでいます。
4.傷を縫い合わせます。
このような過程を経て手術が終了するのですが、このように各過程での手技によって“元に戻る”という現象がおきます。私は、術前に“元に戻る可能性は低いですが、逆に元に戻せと言われても戻せません”とご説明するようにしています。
患者さんによっては、“結ぶだけの簡単な手術”と認識されていることもありますが、“形も変わるし、修正も出来ない手術”と認識していただきたいと思います。

After
最後に、男性の術前(写真7, 8, 9)と術後(写真10, 11,12)をご紹介しますが、女性よりも鼻の組織が固いことが多いので、形に変化が出しにくいこともあります。
術式(やり方)は、担当される医師によって“違いがある”と思いますし、術後の結果も“違いが出る”と思いますので、くれぐれも術前に実際に手術をされる先生からよく説明を受けられることをお勧めいたします。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。