美容外科話

COLUMN

へそ形成
第54話

ワキガの手術(切開法)の実際

第38話で、ワキガの治療について説明しましたが、今回はそのうちの切開法(皮弁法)の現実的な画像をお見せしようかと思います。いつものように、これは私の手術ですので、実際に手術を受ける方は、その医療機関や担当医に十分な説明を受けるようにして下さい。

現在は、穴を開けてやる手術の方法も増え、第38話の頃よりも様々な傷跡が存在していますが、直接目で確認しながらやる皮弁法に効果(臭いが減る)の面で勝る方法は未だに無いのではないでしょうか?ただ、傷跡の面から考えると、どちらが良いとも一口で言うのは難しいと思いますので、ここでは術式の紹介という事にしておきます。

術前
術前
術中
術中

私は術前に有毛部にマーキング(点線)をして、これらに手が届く範囲で、皮膚に約3cmのしわに沿った皮膚切開線(実線)をデザインしています(写真1)。

麻酔は局所麻酔で針を刺しますが、これが痛いようです(写真2)。有毛部より広めに麻酔が効かせてから、皮膚に切開を加え、皮膚の下を剥離(皮膚が浮くようにする操作)し、皮膚を裏返します。皮膚を裏返すと直視下に黄色いアポクリン腺が見えます(写真3)。

このアポクリン腺をハサミで丁寧に切り取って行きます(写真4)。アポクリン腺が無くなると、裏返した皮膚が白くなります(写真5)。

この作業を術前にマーキングした範囲全てに施行します。こうして切除を終えたら、皮膚を閉じて終わりにする訳ですが、私は皮膚が浮きにくいように、数箇所を糸で留めています。

術後の様子ですか、真ん中の傷が縫ってある糸と浮かないように留めた糸があるのが分かると思います(写真6)。

術後
術後

以上が簡単な手術の説明ですが、非常に簡単に見えますよね?見たように、術式としては単純なのですが、皮膚をひっくり返すのに少々慣れが必要なのと、何よりもアポクリン腺を全て切除する根気が必要であると思います。

ただ、この手術で非常に大事なのが、術後の患者さんの生活で、腋の下をあまり動かすと皮膚の状態が悪くなって、思わぬ結果になってしまう(皮膚がよれたように治ってしまう)事もあるので、手術時の説明をきちんと守っていただきたいと思います。

どこの話にも書いていて、しつこいくらいなのですが、他院で“あなたのアポクリン腺は他の人よりも多かったので、非常に手間がかかった”という理由で、この手術に200万円請求された患者さんにお会いしたこともあるので、くれぐれも術前に色々なことについて担当医と話し合って、後悔の無い手術を受けていただきたいと思います。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
https://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。