美容外科話

COLUMN

目尻切開
第136話

目尻切開の腫れ

目尻切開の手術に関しては、何回か書きましたが、相変わらず“効果はあまり期待出来ない”という旨について外来でもお話しています。ところが、満足される確率は、相変わらず高いので担当医としては、不思議な気持ちになります。
今回は、“手術後にどれだけ腫れるのか”ということをご紹介しようかと思います。
この話にお写真を提供していただいたモニターの方にはこの場をお借りして、深く感謝いたします。
BeforeBefore
AfterAfter

まず、術前(写真1, 2, 3)と術後1カ月(写真4, 5, 6)の状態を比較していただきたいと思います。この方は比較的変化が分かりやすいと思いますが、白目の部分の大きさを比較していただければ、より分かりやすいのではないかと思います。
正面を向いている時と上を向いた場合も比較しやすいようにお見せしますが、横から見た目尻の形にも変化があるのがお分かりいただけると思います。ただ、いずれにしても“若干の効果”であることは、否めない気もします。

After
さて、話を今回の本題に戻しますが、術直後の状態(写真7)をお見せします。よく見ると、皮下出血と糸が付いているのが分かると思いますが、“腫れは少ない”と思います。この手術の最大の合併症は、“白目が赤くなる”ことだと思いますが、平均的な経過では、このように腫れが目立たないのが通常です。また、抜糸(手術をしてから5日目)直後の状態をお見せしやすいように指で広げた状態(写真8)もお見せしますが、赤味はあるものの、腫れは非常に少ないと思います。
このように目尻切開の手術は、目頭切開と同様に腫れの少ない手術であると思います。ただ、術後の社会復帰までの時間には個人差がありますし、白目が赤くなってしまうこともありますので、時間的には余裕がある時期の方が良いとは思います。今回は、私の手術の平均的な経過をご説明いたしましたが、これから手術を受けられる方の参考になれば幸いです。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。