美容外科話

COLUMN

へそ形成
第184話

お臍の手術のあれこれ

はじめに、この御写真をご提供いただいたモニターの方々には、この場をお借りして深く感謝いたします。
今年も暖かい季節を意識してか、お臍の手術を希望される方にお会いする事が多くなりました。
お臍の手術の術式は、非常にシンプルで、基本的な手技はいつも同じです。したがって本来の形やお臍の深さによって仕上がりが左右されます。今回は3人の方の術後の形の経過についてご紹介したいと思います。
BeforeBefore
AfterAfter

まず、1人目の方ですが、術前(写真1, 2)と術後1ヶ月(写真3, 4)の状態をお見せいたします。

この方は、お臍の中身が飛び出している、“でべそ”ではなく、おへその“底が平らになっている”状態を気にされて治療を希望されました。

After
このような方の手術術式も基本的には同じですが、お臍自体の深さが重要となります。
通常の“でべそ”の手術との違いは、お臍の皮膚の真ん中に固定する際に若干の工夫をすることです。術直後の状態をお見せします(写真5)が、傷の位置や終了状態には、変わりがありません。
After
私の手術の術式については、以前にもご紹介したことがありますが、“傷がお臍の外につかない”というのが最大の特徴だと思います。

次に“でべそという程でもないが、お臍の中の形が気になる”という方をお2人ご紹介したいと思います。

術前(写真6, 8)と術後1ヶ月(写真7, 9)との状態を比較していただくと、お臍の中の形が変わってすっきりしたのがお分かりいただけると思います。
お臍の手術は、腕がいくらあっても、細かなオーダーに応えられる手術ではないと思う主旨のことは以前に書きましたが、このようにお臍の中の形を変えることが可能な場合もあります。
お臍の手術は、術者の慣れ(経験)と技術が非常に大事です。また、時として腹膜を開けなければならない状態の方もいらっしゃいますので、そのような手術経験も非常に大事です。
また、同じような形に見えても違う経過になる場合や、術式自体の変更が必要になることもありますので、術前診察を大事にしていただきたいと思います。

でべそ、臍、でべそを治す、臍の形を変える

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。