以前から私のホームページには、手術の実際等を載せてきましたが、“術後の経過を見せていただけませんか?”
“傷はきれいに治りますか?”等々経過についても診察中に聞かれることが多いので、今回は刺青切除をした方の経過の写真を例にとり、実際の傷の経過について御説明しておこうかと思います。
今回、写真を使うことを許可して頂いた患者さんには、この場をお借りして深く感謝いたします。
例によって、これはあくまで“私の手術”ですので、術後の経過も若干の相違があることはくれぐれも忘れないで下さい。
この方は、左の上腕に刺青があり、私が切除いたしました。
切除直後の傷の状態をお見せします。
(写真1)写真を見るとお分かりいただけると思いますが、“切った傷”という感じがします。
抜糸をすると皮膚が若干伸びますので、本人としては“突っ張った感じが軽くなった”という感じになると思います。
(写真2)まだ、“痛々しい”感じになっていますね。
傷は、抜糸した後の処置が肝心で、通常は御自分で傷に対して直角に24時間体制でテープを貼っていただくことにしています。
これは、どこかの話で少し書いたかもしれませんが、皮膚はゴムのような物で、伸びようとしますので、何もしないでいると傷口の皮膚が伸びてしまい、傷の幅が広くなってしまうからです。
皮膚が安定するのには、体の場所によって時間の格差がありますが、3ヶ月から半年間が必要です。
従って、傷口は術後半年間位テーピングが必要ということになります。
1ヶ月後に来院された時の写真をお見せしますが、“傷口が赤くなっている”のがお分かりいただけると思います。
(写真3)このように傷はいったん赤くなるのが、一般的です。この赤くなる期間には個人差がありますが、通常は半年から1年で、ピークは3ヶ月から半年です。
この方も徐々に赤みは引いてきましたが、この期間には、かなりの個人差があります。
さらに6ヶ月の時点で来院された時の写真をお見せしますが、傷の赤みは大分少なくなっていました。
(写真4)先程お書きしましたように、傷にはテーピングをしていただいたので、写真の中に傷と直角のテープの貼り跡があるのが、お分かりいただけると思います。
以上が、傷の大体の経過ですが、
1.一度赤くなり、だんだん色が落ち着いていくこと
2.傷の安定のためには、テーピング等の術後のお手入れが必要であること
がお分かりいただけたと思います。
また、上腕、前胸部はケロイドの好発部位ですので、医師の腕と関係なく“汚く治ってしまう”こともあります。
こうした事も含めて、術前に担当医から話を良く聞くようにして欲しいと思います。
“手術は切ってしまえば終わり”と誤解されている方に多くお会いしますが、今回の話で、そうでもないということを分かっていただければ幸いです。
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