美容外科話

COLUMN

刺青切除・刺青除去レーザー
第190話

【足首のタトゥー・刺青の切除】傷跡の経過のビフォー・アフター(バタフライ編)

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に心より感謝いたします。

刺青切除のご質問で一番多いのは、やはり時間と治療費に関する事です。

したがって、現場の医師としては、いかに短期間で安価に手術を済ませるのかということが重要になります。

また、同時になるべく綺麗に縫い合わせる事も大事だと思います。
診察をしていると、『他院で切れないと言われました』というコメントを患者さんからいただくのが多いのは、足首や下腿の刺青の方です。

ここは、皮膚が伸びにくいために、他の部位に比べると切除が難しいのは確かだと思います。

また、あまり頑張って一気に切除しようとすると、切除後うっ血を起こして、最悪の場合は足が腐ってしまうという大変なことになります。ですから、足首近くの刺青切除には、医師の経験とセンスが非常に大事だと思います。

今回は、足首の近く(下腿)の刺青を3回で分割切除した方をご紹介したいと思います。この方の経過をご覧になっていただき、切除経過のイメージをとらえていただければ幸いです。

術前
術前
1回目切除後
1回目切除後

はじめに術前の状態(写真1)をお見せしますが、比較的大きな蝶の刺青が入私は、なるべく最小限の切除で終わらせたいと思っているのですが、このような大きさの刺青を1回で切除することは難しいので、分割切除の適応となってしまいます。

1回目の刺青切除が終了した状態(写真2,3)をお見せします。

縦方向の羽根がなくなっているのがお分かりいただけると思います。

定規を横に置きましたので、大きさの比較もしていただきたいと思います。


残った部分を斜め方向に切除
写真4

残った部分を斜め方向に切除しますが、少しだけ残ってしまいました(写真4)。

ここまでくれば、残り1回で切除可能だということがお分かりいただけると思います。

写真5
写真5

最終切除終了の時点での状態(写真5)をお見せしますが、通常は、この後数か月をかけてさらに綺麗に治って行きます。

このように、経過だけをお見せすると非常に簡単に感じるかもしれませんが、医師としての経験が要求され、『なるべく切除したいが、どこまで切れるか?』というような自問自答を繰り返しながら手術をしています。

このように数回の手術を繰り返す場合、担当医との信頼関係も大事だと思いますので、術前によく説明を受けられたうえで手術を受けられることをお勧めいたします。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。