美容外科話

COLUMN

刺青切除・刺青除去レーザー
第143話

刺青の形と切除回数

まずはじめに、このお話にご協力いただいたモニターの方々にこの場をお借りして深く感謝いたします。
私の外来で一番多い質問が“この刺青は、1回で取れますか?”というものです。以前に切除回数については、書いたことがありますが、今回は3名の方をご紹介して、具体的なご説明をしたいと思います。
BeforeBefore

腰のハート形の刺青です。

AfterAfter

1回の切除でなくなりました。

まず、腰に刺青のある方(写真1)です。この方の刺青は上下の大きさはあまり大きくないので、1回で切除して横方向に切除して縫い合わせることが可能です。

After

前腕の文字の刺青です。2回の切除でなくなりました。

次に、前腕に刺青のある方(写真3)です。前腕の皮膚は伸びにくく、無理に刺青を切除してしまうと、血の巡りが悪くなり、ちょうどゴムバンドを強く巻いたように手の甲が紫色に変わり、最悪の場合は手が腐ってしまいますので、無理をしすぎないように最大に切除する事が大事で、分割切除が必要になることもあります。この方の場合は2回の切除に分けました。
After
1回目の切除が終了した状態(写真7)をお見せしますが、このように残った部分と1回目の手術の傷を同時に切除することにより傷が増えないように工夫をして、2回目の切除で完全に切除しました(写真4)。
After
最後に上腕の刺青の方(写真5)ですが、このように刺青の上下の大きさが大きくない場合は、1回で切除可能なことがほとんどです。
このように、刺青の大きさと入っている部位で切除回数は変わってしまいますので、担当医から術前の説明はきちんと受けるようにしていただきたいと思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。