美容外科話

COLUMN

鼻の他院修正手術
第499話

オステオポール、取って下さい!!

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。

この方は、他院にて小鼻縮小術、鼻尖部にオステオポールを挿入された方です。鼻先の形状を改善したい、オステオポールを除去したいというのがご本人の相談内容でした。

早速、正面から見た術前(写真1)と術後6か月(写真2)を比較して頂きたいと思います。

BEFORE
AFTER

写真で見ると変化が分かり難いかもしれません。

下から見ていただくと、術前(写真3)では、矢印で示した部分の左右差があるのに対し、術後6か月(写真4)では、鼻先の左右差が少なくなったことがお分かり頂けると思います。このように、写真は、一方向からだけだと判断できないことが多いと思います。

斜めから見ていただくと、術前(写真5)は、鼻先の形状が、矢印部分で角ばっていたものが、術後6か月(写真6)では、無くなっていると思います。

では、実際にどのような治療をしたのかを、順を追ってご紹介したいと思います。

手術は、『オープン法』を使用して、直視下に確認しながら行う必要があります。

開けてみると、矢印で示した部分にオステオポールが挿入されていました(写真7)。

このオステオポールと大鼻翼軟骨を丁寧に外していきます。

この工程の気を抜くと、軟骨を損傷して、鼻が曲がってしまったりしますので、細心の注意を払いながら行います。ピンセットでつまんだ部分がオステオポールですが、その下の軟骨が押されたために、平坦に変形(黄色い線で示しました)していました(写真8)。

オステオポールを除去した様子を御覧に入れます(写真9)。

この後、左右の大鼻翼軟骨の形状を整えるために、分離する必要が生じます。この時に軟骨を損傷しないように細心の注意を払います。左右大鼻翼軟骨を、それぞれ形を整えながら縫い合わせていきます(写真10)。

縫合が終了した状態(写真11)をお見せします。鼻尖の形状が整ったのがお分かり頂けますでしょうか。

このように、『プチ整形を治すだけ』なのに、手術は、非常に難しく、手間のかかる物になってしまいます。

こうしたことが起こらないように、術前に口の上手い医師やスタッフに乗せられないように、術後トラブルやリスクの話もきちんと聞いた上で、手術を受けるか否かをお考えいただきたいと思います。ちょっとだけ、すぐ終わる、痛くない、腫れない等の言葉を連発されたら、よく考えることが非常に大事です。

施術名:移植物除去(オステオポール除去)+鼻尖形成修正術(形状修正)

施術料金:移植物修正(オステオポール除去)¥440,000(モニター¥374,000)

     鼻尖形成修正¥445,500(モニター¥378,700)

     オープン法¥110,000

今回のように同時に行った場合の合計¥995,500(モニター¥862,700)

※すべて税込み表示(2024.1.7現在)

施術内容:他院にて挿入されたオステオポールを摘出し、鼻尖の形状を整える。

副作用(リスク):抜糸まで(術後1週間)は、鼻先にテープ・ギブス固定が必要。

その鼻プロテーゼ(シリコン)って、いったい何だったの??他院鼻整形の修正。

今回ご紹介するのは、15年前にプロテーゼ(シリコン)隆鼻術を受けたが鼻の形状が変わってきたので、抜きたいというご要望でした。

まず、正面の状態を術前(写真1)と術後3か月(写真2)で比較していただきたいと思います。

BEFORE
手術前(写真1)
AFTER
術後3カ月(写真2)

ぱっと見た感じだと変化が分かりにくいのですが、術前の点線の矢印で示した部分をご覧いただくと、プロテーゼ(シリコン)の形状が浮き出て見えることがお分かりいただけるのではないでしょうか?

術後は、このプロテーゼ(シリコン)の形状が分からなくなりました。


の方に施行した手術は、プロテーゼ(シリコン)抜去術+鼻尖形成術です。

一般的にプロテーゼ(シリコン)を抜去しただけでは、鼻尖の形状が広がってしまい、『団子鼻』の状態になってします。

これを防ぐためには、鼻尖形成術を行った方がよいと考えています。

当院の鼻尖形成術(団子鼻手術)は、鼻先の軟骨を寄せ合わせるだけでなく、寄せ合わせる前に軟骨を一度曲げた状態にして固定するという方法を行っています。

これは、一般的に手術書にある方法とはちょっと違っていますので、他院の『鼻尖形成術(団子鼻手術)とは、別物』と考えて頂いた方がよいと思います。

手術前(写真3)術後3カ月(写真4)
手術前(写真3)術後3カ月(写真4)

横から見て頂くと、術前(写真3)で示した矢印の部分が、術後3か月(写真4)では、改善されており、また『プロテーゼ(シリコン)を抜いた割には、低くなったように見えない』と思います。

これは、鼻というのは鼻筋が通った状態だと高く見えるためです。

手術前(写真5) 術後3カ月(写真6)
手術前(写真5) 術後3カ月(写真6)

次に下から見た状態を比較していただきたいと思います。

術前(写真5)に矢印で示した部分がプロテーゼ(シリコン)の形状が浮き出ている部分です。

術後3か月(写真6)を見て頂くと、鼻尖の形状もなだらかに変化したことがお分かりいただけると思います。

抜去したプロテーゼ (写真7・8)
抜去したプロテーゼ (写真7・8)

では、どの程度の大きさのプロテーゼ(シリコン)が入っていたのでしょうか?写真(写真7, 8)にてお見せしますので、案外ちゃんとしたものを抜いた割には、低くなった変化が少ないと感じて頂けたら幸いです。

プロテーゼ(シリコン)は、その加工がしやすく、また術後にトラブルがあった場合には、摘出できるというメリットがあるのですが、このように経年的に形状が変わってしまうこともあります。

では、ご自分の組織で手術すれば、全く問題ないのかという疑問を感じられる方もいらっしゃると思いますが、自己組織であっても経年的な変化をすることはありますし、鼻尖等に大きすぎる軟骨等を移植すれば、時間と共に浮き出てくることもあります。

一番大事なのは、その手術の長所、短所を考え、患者さんのご希望を加味して、『その方に最善の治療方法は何かを考えること』だと思います。

この為、当院では、担当医が変わってしまうような非常勤医師に手術を任せることをせず、私一人のワンドクター制としていますし、必要のないと私が考える手術をお勧めする『営業トーク診療も行っていません。

私のクリニックにいらした方には、『先生は勧めないから、やる気もないのかな?』と思われてしまうこともあるようですが、私は、『最小にして最大効果』ということを診療ポリシーにしていますので、その点もご理解頂きたいと思います。

手術後の腫れについてはブログにてご紹介しております。
https://ameblo.jp/dr-y-yamamoto/entry-12609710841.html

鼻プロテーゼ(シリコン)、抜いても変わらないって、そんなに小さいの??
https://note.com/yamamotoclinic/n/n6938b625edf8

※出血シーンがございますので、閲覧にはお気を付けください。

施術名: 鼻シリコンプロテーゼ抜去(他院)+鼻尖形成修正

施術内容:鼻シリコンプロテーゼ抜去・・・他院にて挿入したシリコンプロテーゼを取る
     鼻尖形成修正術・・・鼻尖の形状が広がり団子鼻の状態になるのを防ぐ

副作用:手術後の腫れ・皮下出血する可能性がある。

施術料金:鼻シリコンプロテーゼ抜去(他院)¥220,000(モニター料金¥187,000)
     鼻尖形成修正¥330,000(モニター¥280,500)※税込

【鼻の段差を修正】この鼻シリコン(プロテーゼ)短すぎません?他院シリコン(プロテーゼ)隆鼻術を修正する!!

最近、当院では、他院にてシリコン(プロテーゼ)隆鼻術を受けたのだけれども、ちょっと。。。という方が増えてきた気がします。

患者さんからは、『他院では、鼻の低い部分を高くするために最小限の手術にしておいたから』と前医が得意げに言っていたというお話を聞くことも稀ではありません。

鼻の段差を修正した事例

今回は、『シリコン(プロテーゼ)が短すぎたために?段差が生じた方』をご紹介したいと思います。

まず、術前と術後1か月の正面状態を比較していただきたいと思います(写真1, 2)。

BEFORE
術前(写真1)
AFTER
術後(写真2)

何が変わったの?と思われても当然だと思います。というよりも、雰囲気を変えずに修正したと理解していただいた方が担当医としては、嬉しい限りです。


横(写真3・4) 斜め(写真5・6)
横(写真3・4) 斜め(写真5・6)

しかし、横から見ると、『術前の矢印で示した部分の段差が無くなった』のが、お分かりいただけるはずです(写真3, 4)。

斜めの角度を見て頂くと、全体的な雰囲気が変わっていないということが、さらにはっきりとお分かりいただけるのではないでしょうか?(写真5, 6)。

前医プロテーゼ(写真7)当院プロテーゼ(写真8)
前医プロテーゼ(写真7)当院プロテーゼ(写真8)

実際に他院で挿入されていたシリコン(プロテーゼ)(写真7)と私が入れ替えたリコン(プロテーゼ)(写真8)を比較していただきたいと思います。

挿入されていたシリコン(プロテーゼ)の端の部分で、段差が生じていることがお分かりいただけるはずです。

しかし、これは一般的に行われている術式ですので、前医が悪かったのか否かは、議論すべきところではない気もしますが、このように短いシリコン(プロテーゼ)を挿入したことにより、このような症状が術後一定の期間を置いてから生じてしまう可能性があるということは、患者さんにも知って頂きたいと思います。

抜糸後(写真9・10・11)
抜糸後(写真9・10・11)

さて、術後の腫れ方について御紹介したいと思います。このような場合は、前医でのシリコン(プロテーゼ)が容易に抜けるかが腫れ方に大きく影響しますので、個人差がかなり出てしまいますが、参考にはなると思われますので、術後5日目の抜糸時の状態をお見せします(写真9, 10, 11)。

私の印象としては、再手術の方としては、腫れが少ない方だと思っています。

鼻の他院修正手術についてはこちらに手術例をまとめております

いつも同じことを書いていますが、同じ名前の手術でも担当によっては、別物です。

担当医の感性によっては、『シリコン(プロテーゼ)も最小限に』と考えられるようですが、個人的には、このような現実を見る機会から、前医のようなシリコン(プロテーゼ)の使い方はしていませんので、担当医が、どのような考え方をして手術をしているのかを知ることは、非常に重要です。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/retouching/#cost-1-1

【オステオポールはやばい?】他院の鼻の整形手術の失敗?トラブルを改善

手術名:移植物除去(オステオポール除去)+鼻尖形成修正(形状修正)

このオステオポールとは、メッシュ状の3Dボールで、2年程度で溶けてなくなりますが、溶ける間にメッシュの中に肉芽組織が入り込み、自分の組織に置き変わるのが最大の特徴と言われています。

また、形状を細工することが出来るため、鼻尖を好きな形にすることも可能であると言われています。

そのため、自分の組織を使って鼻尖の形、高さを変えることが出来る夢のような素材だというような説明が患者さんにされているようです。

しかしながら、どのような素材を使用しても(それが自分の組織であっても)、大きさや形状によっては、鼻尖に力の負担がかかりますので、素材の形状が浮き出たりというトラブルが起こりうるという事が、容易に想像出来ます。

では、術前、術後6か月の状態からお見せしたいと思います。

BEFORE
手術前(写真1)
AFTER
術後6カ月(写真2)

手術前(写真3)術後6カ月(写真4)
手術前(写真3)術後6カ月(写真4)
手術前(写真5)術後6カ月(写真6)
手術前(写真5)術後6カ月(写真6)

正面から見ると分かり難いかもしれませんが、角度を変えてみると、オステオポールの形が浮き上がって見え、明らかに不自然であることがお分かりいただけると思います。(写真1-6)

処置前(写真7)
処置前(写真7)

このように形状が浮き上がってきた状態を放置すると、鼻尖の皮膚に穴が開いてしまう可能性も十分に考えられます。

そこで、修正手術としては、オステオポールを除去することと、鼻尖の形状を整えることを考えます。

前医がどのようにオステオポールを挿入したかが分かりませんので、鼻尖の軟骨の位置確認もしながら手術をする必要があります。

このため手術は、オープン法を施行することになります。
オープン法にて鼻尖を開けた状態をお見せします(写真7)。

処置後(写真8)
処置後(写真8)

矢印で示した部分がオステオポールです。

摘出してみると、鼻翼軟骨が押されて、変形していましたので、これらを縫い合わせながら鼻尖の形状を整えました(写真8)。

美容医療では、常に新しい素材や方法が生まれてきます。

既存の方法ではできなかったことが、非常に容易にできるようになる場合もありますが、今回の方のようにトラブルに会われてしまうこともあります。

『全然問題ない』『最新の』というような言葉に踊らされないように十分に考えられたうえで手術を受けられることをお勧めします。

⇒鼻の他院修正についてはこちらに手術例をまとめております

手術後の経過についてはブログにてご紹介しております。
https://ameblo.jp/dr-y-yamamoto/entry-12679281412.html

宜しければnoteも併せて御覧下さい。
https://note.com/yamamotoclinic/n/ncf6225a92241

施術名:移植物除去(オステオポール除去)+鼻尖形成修正術(形状修正)

施術料金:手術料金はコチラを御覧下さい

施術内容:他院にて挿入されたオステオポールを摘出し、鼻尖の形状をすっきりさせる

副作用(リスク):鼻先にテープ固定、皮下出血の可能性、

今回ご紹介するのは、他院にて鼻尖形成術およびオステオポールというPCL(ポリカプロラクトン)で出来た人工物を挿入された方のトラブルです。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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