まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。
この方は、他院にてオステオポール挿入術、メッシュ挿入術を受けられた方です。鼻根部に違和感があり、鼻根部、鼻尖部の皮膚の色が時々変わることを改善したいというのがご本人の相談内容でした。
鼻根部、鼻尖部の異物による圧迫が血流を阻害して症状が出ていることが考えられ、異物摘出術を優先とした、オープン法、鼻尖異物摘出術、鼻根部異物摘出術、鼻尖形成修正術、及び鼻尖が低くなることに対する耳介軟骨移植術を計画しました。
早速、正面から見た術前(写真1)と術後3か月(写真2)を比較して頂きたいと思います。
正面からですと、高さは分かり難いかもしれませんが、鼻先の太い感じが改善されたことがお分かり頂けるはずです。
斜めから見ていただくと、術前(写真3)と術後3か月(写真4)では、鼻先の高さと方向が若干改善したことに気が付いて頂けるでしょうか。
横顔の方がこの変化が分かりやすいかもしれません(写真5, 6)。
この『少しの変化』を出すために、大きな手術が必要になります。手術の詳細を順にご紹介したいと思います。
オープン法で開けてみると、矢印で示したようにオステオポールが軟骨と一塊となっていました(写真7)。
この軟骨とオステオポールを丁寧に剥離していきます。この工程を雑に行うと、鼻翼軟骨に穴が開いてしまいます(写真8)。取り出したオステオポールをお見せします(写真9)。
次に、鼻根部のメッシュを摘出するのですが、組織と強固に癒着しているために、まずメッシュ周辺を丁寧に剥離し、引き抜きます(写真10)。取り出したメッシュをお見せします。硬い感じは見ただけでもお分かり頂けると思います(写真11)
鼻尖部の軟骨は、剥離した後に糸をかけるのですが、この時にどこに針を刺すのかという点が非常に大事です(写真12)。この糸を寄せ合わせて、鼻尖の形状を作ります(写真13)。
鼻尖の高さは、オステオポールが大きかったために、このままですと低くなってしまう為、耳介軟骨を移植します(写真14)。
『最小限の手術で対応する』ということを、私はモットーにしていますが、こうした修正手術では、複数の手術を行わなくてはいけません。
このような修正手術が必要ないように、術前には担当医の『溶ける素材だから大丈夫!』という適当な言葉に惑わされないようにして頂きたいと思います。
また、修正手術は、担当医の技量によって、皮膚に穴をあけてしまったり、軟骨を損傷してしまいますので、症例写真にて、よく比較検討されることをお勧めします。
施術名:移植物除去(オステオポール除去)+鼻背部移植物除去(メッシュ除去)鼻尖形成修正術(形状修正)+耳介軟骨移植+オープン法
施術料金:移植物修正(オステオポール除去)¥440,000(モニター¥374,000)
鼻背部挿入物除去(メッシュ除去)¥330,000(モニター¥280,500)
鼻尖形成修正¥445,500(モニター¥378,700)
耳介軟骨移植¥385,000(モニター¥308,000)
オープン法¥110,000
今回のように同時に行った場合の合計¥1,710,500(モニター¥1,451,200)
※すべて税込み表示(2024.10.28現在)
施術内容:他院にて挿入されたオステオポール・メッシュを摘出し、凹んだ部分に耳介軟骨移植、鼻尖の形状を整える。
副作用(リスク):抜糸まで(術後1週間)は、鼻先にテープ・ギブス固定が必要。