以前第56話で、切開二重の経過の話を書いたのですが、外来で“術後2週間の状態が分からないので、教えて欲しい”という方に何人か続けてお会いしたので、今回はこれについて書こうかと思います。
実は、この話題については以前よりリクエストが多かったのですが、術後は1ヶ月、3ヶ月、半年に患者さんとお会いすると私は決めていて(患者さんの社会生活を考えると無駄に多く来ていただくのは気が引けてしまいます)、術後2週間でお会いしている方には、術後の腫れが長引いているといった問題がありましたので、この話は書けずにいました。
ところが、この方は、術前よりご本人の御写真の使用を快諾していただいており、2週間後の状態を皆さんにお見せすることが出来たので、この場をお借りして心より感謝いたします。
第56話で、術後の経過は大体分かっていただいていると思いますので、この方の説明を若干加えさせていただき、前回の話と合わせて全体的な経過を把握していただけたら良いのではないかと思います。また、いつも書いていますが、これはあくまで“私の手術”ですので、術後経過に関しては、必ず自分が手術を受ける医療機関できちんと説明を受けるようにして下さい。
目頭切開と二重切開の術前術後比較
さて、前置きはこのくらいにして、術前の写真をお見せいたします。
この方は、もともと二重なのですが、大きく変わらずに感じだけを明るくしたい、二重が取れないようにして欲しいとのご要望でしたので、若干の目頭切開と二重の切開法を選択しました。術後1週間の抜糸直後の写真をお見せしますが、糸がついていた部分で折り曲がれずに、“かなりおかしな目”になっているのが分かります。
この方の場合は、反対側の目は傷のところできちんと折り込まれていたのですが、あえてこういう経過もあると皆さんに認識していただきたくて、こちら側を使わせていただくことにしました。抜糸後2週間の写真をお見せしますが、抜糸の時と比べるとかなり落ち着いてきているのがわかります。
この時点では、傷が赤いのが分かると思いますが、“お化粧で隠せるぎりぎり”なのではないでしょうか?
外来でよく“人前にいつから出られますか?”と質問されますが、“お化粧でごまかせるのが、2週間くらいで、1週間はかなり悲惨ですよ”とご説明しているのは、このような状態になるからなのです。
ただ、最近手術された方で、術後1週間は御自分の犬にも恐がられた方にもお会いしましたので、術後1週間の覚悟は、相当必要だと思います。
私の外来にいらっしゃる方の中には多くの美容外科を既に訪問されていて、“他の美容外科では、そうは言われなかった”とおっしゃる方にもお会いしますが、美容外科には、様々なやり方があり、私としては“自分が出来る範囲内で”のお話をさせていただいているので、“他の先生に出来て、私には出来ない”こともあると思いますので、最終的には担当医にきちんと責任を取ってもらえる状態で、お好きな医療機関で手術を受けることをお勧めします。