ピアスのトラブルや“穴を塞いで欲しい”という患者さんには、案外どこの形成外科でもお会いすると思いますが、患者さんが治療経過を見られる機会も少ないのではないかと思いますので、今回はこれについて書いてみようかと思います。
この手術は、形成外科の先生なら“だれでも出来る”手術ですので、変わった事は何もないのですが、何かの参考にしていただければと思います。今回、写真を提供していただいた方には、この場をお借りして深く感謝いたします。
この方は、ピアスの穴を塞ぎたいとのご要望でしたので、“穴を縫い縮める”ことにしました。そのまま単に縫うだけでは、くっつかないので、部分的に切除して縫い合わせるということになります。
術前の状態をお見せしますが、特に説明は必要ないのではないかと思います。
術直後に縫い合わせたときの写真をお見せします。
単純に直線的に縫い合わせると耳たぶが変形してしまいますので、若干傷の形には工夫が必要です。
抜糸の時の写真をお見せしますが、“腫れていない”のがお分かりいただけると思います。
術後3ヶ月経過したときの写真もお見せしますが、傷はわかるものの、術前と比較するとかなり自然な形になったのが、お分かりいただけると思います。
このように手術は“縫うだけ”の手術ですが、体質的にこの手術が引き金となり、ケロイドが発生してしまうこともありますので、十分な覚悟が必要だと思います。
また縫い合わせた部分が芯のように硬くなることもあります。
この方のように、非常に大きな穴が開いている場合は、あまり問題となりにくいのですが、小さな穴を塞ぐ事を希望されて来院される方は非常に気軽にいらっしゃるので、塞ぐ手術が引き金となって“耳を格好悪くしてしまう”事態も招きかねませんので、十分な注意が必要だと思います。
よく、美容外科の診察をしていると、この手術に限らず非常に気軽に手術を受けようとされる方にお会いしますが、どの手術も術前にはそれなりの覚悟が必要なのではないかと思います。
いつも同じ話を書きますが、術前に担当医からの十分な説明を受けるようにして下さい。
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