美容外科話

COLUMN

くちびるを薄く
第97話

唇を小さくする!!(画像)

唇を小さくしたいという方にも時々お会いします。私はいつも“思ったよりもちいさくなりませんよ”と申し上げることにしていますが、今回は手術のご紹介と、あまり小さく出来ない理由について言及したいと思います。毎回同じ事を書いて恐縮なのですが、これは私の手術ですので、術前には担当医からのご説明をきちんと受けるようにして下さい。
今回、この写真を提供していただいたモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。唇は動くために、写真では充分にご紹介できないのかも知れませんが、ぱっと見にどの程度の変化が出るのかをご理解していただければ充分だと思います。
BeforeBefore
AfterAfter

まず、術前と術後1ヶ月の状態を比べていただきたいと思います。唇の雰囲気を少しでも分かっていただくために、口を閉じていただいた場合と、若干開いていただいた場合をご紹介いたします(写真1, 2, 3, 4)。術前と比べると唇が小さくなり、薄くなった感じがお分かりいただけると思います。ただ、“切った割には口唇が小さくなっていない”という印象もあるのではないでしょうか?そこで、術前には“思ったよりも小さくなりませんよ”と申し上げるようにしているのです。現実的には、ご本人に満足していただけることが多く、この方も唇が思っていたように小さくなったと喜んでおられました。

After
それでは、順を追って手術のご説明をしたいと思います。唇の傷は、切る場所を間違えると非常に目立ってしまうので、注意が必要です。通常は、前から見たときに縫合した部分があまり前に出ない(外側に出過ぎない)ようにデザインします。従って、口の外にある唇を充分に切ることが出来ないという事になります。この方のデザインをお見せしますが、紫色の線で囲んだ部分を切除することにしました(写真5)。ご本人にデザインはお見せしたのですが、出来上がりの形をお見せするのは出来ないので、他の方のお写真等をお見せして、イメージをつかんでもらい、あとは私に任せてもらいました。
After
手術は局所麻酔で行いましたが、唇に直接針を刺すのは痛いので、神経ブロック麻酔を併用しました。唇は血流が豊富ですので、若干多めに出血します。このため術中に口の中に血が垂れ込んでしまい、不快感を生じることがあります。
この後に傷を縫い合わせて終わりますが、唇は顔の皮膚等とは構造が違い、1ヶ月後の状態(写真6)でお分かりいただけるように、溶ける糸で縫合してもきれいに治りますので、私は好んで溶ける糸で縫合しています。縫合直後の状態をお見せします(写真7,8)が、縫い目が外側から目立たない位置にあるのがお分かりいただけると思います。
術後1週間の状態(写真9,10)をお見せしますが、まだ腫れているために、上下の幅は小さくなったものの、左右の幅は逆に大きくなったように見えるのではないでしょうか?
今回は口唇を小さくする手術についてお書きしましたが、このコラムで、術後の腫れ方や経過のイメージを少しでもつかんでいただければ幸いです。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。