美容外科話

COLUMN

へそ形成
第106話

お臍の手術 -他院修正-

お臍の手術は、何回か書きましたが、今回は他院にて手術を受けられて、お臍のくぼみがなくなってしまった方にお会いしたので、その修正手術についてご説明いたします。

この方は、“私と同じような方がいたら、お役に立ちたい”とモニターの方ではないにもかかわらず、コラムへの掲載を快諾していただいたので、この場をお借りして深く感謝いたします。

今回は、医者として、この手術を執刀された方には非常に憤りを感じています。後ほど細かいことはご説明しますが、解剖と術式の理解が全く出来ていないために、このような結果になっていることを深く反省すべきだと思います。

BEFORE
写真1、2
AFTER
写真3、4

まず、術前(写真1、2)と術後約1ヶ月後(写真3、4)の状態をお見せします。術前に比べると“お臍らしくなった”のがお分かりいただけると思います。

それでは、この方の術式についてご説明します。まず、診断としては“臍ヘルニア”です。

これは、腹壁が弱く中の腸が推し出てきているものです。

したがって手術としては、
1.腹膜を修復する
2.腹壁を補強する
3.臍を作る
という3段階に分けて手術する必要があります。

前医では、この診断がきちんとついていなかったと思われます。


写真5、6、7
写真5、6、7

腹膜を開けた状態をお見せしますが、中に見えているのが腸です(写真5)。

緩んだ腹膜をきつくした状態をお見せします(写真6)。次に筋肉の深さで腹壁を補強すると同時に、臍の底を作成します。

ピンセットでつまんだ白いものを左右から寄せて縫合します(写真7)。

ここまで来たら、後はいつもと同じようにお臍を作れば良いのですが、この方の場合、やせているのと皮膚の余りがあまりないので、深いお臍は作れませんでした。

術後1ヶ月間は、圧迫をしていただきましたが、その後の圧迫は必要なさそうでした。

患者さんは、“先生のところを最初から知っていれば”とおしゃっていましたが、本来は、出来る先生がやれば、このような状態にはなっていなかったと思いますので、担当医選びは慎重にしていただきたいと思います。

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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。