美容外科話

COLUMN

目の複合手術(2つ以上の手術)
第164話

平行型二重を作る!

まず、今回御協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深く感謝いたします。

二重のカウンセリングをしていると、“平行型の二重にして欲しのですが”というご要望を多く受けます。また、“目頭切開をすれば、平行型になりますか?”というご質問も、よく受けます。
これは、平行型にするために目頭切開をしなければいけないように患者さんが理解しているために起こるご質問なのですが、私は、個人的には“目頭切開と二重は別物”と考えています。
目頭切開を大きくデザインすれば、二重のラインに確実に影響を及ぼすのですが、私のように控えめなデザインで目頭切開をした場合には、二重のラインに影響が出ることも少ないからなのです。
もちろん、目頭切開を併用した事により、二重のラインがきれいに出る事もあります。
今回の方も二重と目頭切開を併用して“正解”だったと思っています。
術前診察で、二重と目頭切開を併用した方が良いか否かは、その方の目の形や折れ曲がる場所の皮膚の癖によりますので、実際に診察させていただかないと何とも言えないというのが現実だと思います。

さて、今回の方に話を戻しますが、
BeforeBefore
AfterAfter

術前(写真1, 2)と術後1カ月(写真3, 4)の状態を比較しますと目頭側のラインが広がり平行型になっているのがお分かりいただけると思います。

ここで注意していただきたいのが、平行型の二重を作るためには幅(閉眼時の睫毛の生え際から二重までの距離)の広いデザインにする必要があるということです。この方の二重もかなり広めに作ってあります。幅の広いデザインにすると、腫れの引き方が遅くなる、傷が落ち着くのに時間がかかるという点が幅の狭い二重の場合と大きく異なります。したがって、手術を受けられようと考えられている方は、社会的に時間に余裕がある時期を選ぶ必要があると思います。

After
術後抜糸時の状態(写真5, 6)をお見せしますが、腫れも比較的強いのがお分かりいただけると思います。
このように、平行型の二重を作るためには、腫れる時間が必要だということ、元の目の形によっては難しいという事を御理解していただきたいと思います。いずれにしても、術前に担当医から良く説明を受けることにより、目頭切開を併用するか否か等を含めて手術をご検討される事をお勧めいたします。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。