まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に心より感謝いたします。
うなじの刺青について、当院では消したいと相談にみえる方が多いので、私としては案外入れている方が多いように感じています。
うなじの刺青は、髪形で隠すことが出来るため人目にはほとんど触れず、入れている方に気が付くことが少ないようですが、海外では、ファッションとしてこの場所に刺青を入れるのは、珍しいことではないので、日本人も入れている方が多いのでしょう。
ただ、日本の風習では、不都合な事があるようです。
特に私のところにいらっしゃる方で多いのは、『髪をアップに出来ない』という方です。
洋装、和装に関わらず、髪をアップにする機会が多い結婚式やパーティー、また、プール、温泉等の『髪の毛を必然的に上げざるをえない状況』で、不都合を感じ当院に相談にみえます。
今回は、案外一般的な刺青の部位なのですが、なかなか画像として見る機会も少ないようですので、これをご紹介したいと思います。
この方の、術前(写真1)と2回の切除が完了した状態(写真2)をお見せします。
皮膚に余裕がないので、1回で切除するのは、難しいのですが、2回に分けると切除が可能となります。
1回目の手術が終了した状態(写真3)をお見せしますが、2回目の手術で切り終わることを考えながらデザインをしています。
ここに、形成外科的な皮弁や皮膚の移動の知識と経験が要求されます。
1回で切除出来ない場合、1回目の手術後に皮膚は継続的に引っ張られますので、残った刺青の大きさや形状に変化が出ますので、この変化を術前に想定しながら、手術を計画することが大事だと思います。
『首のところを切って神経とか血管とか大丈夫ですか?』とよく聞かれますが、皮膚しか切りませんので全く問題ありません。ご安心の上、手術を受けていただきたいと思います。
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