美容外科話

COLUMN

刺青切除・刺青除去レーザー
第215話

【二の腕の刺青を1回で切除】傷跡のビフォーアフター写真

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方々に心より感謝いたします。

刺青切除のご質問で一番多いのは、何と言っても時間と治療費に関する事です。

したがって、現場の医師としては、いかに短期間で安価に手術を済ませるのかということも重要です。

では、1回で切除しきるように頑張ってしまえばよいのでしょうか?切除する柄が大きければ大きいほど残った皮膚を寄せ合わせる距離が大きくなってしまいます。

したがって必然的に1回で切除出来る範囲には、限界があります。

これを知らずに手術をすると、術後に傷跡が開いてしまうというようなトラブルが起こってしまうことがあります。

患者さんの中には、『私がデザインするので、そこで切って下さい』ということをおっしゃる方にお会いすることがあります。確かに、切除というものは切り取って縫い合わせるだけなのですが、どのように切り取るかはプロとしてのセンスが重要です。

今回は2人の方をご紹介したいと思います。同じ場所ですが、柄の形状や大きさが全く違います。
はじめに、比較的小さな刺青切除の方をご紹介します(写真1,2)。

BEFORE
術前
AFTER
術後

このような場合は当然のことながら、一度で切除が可能です。

しかし、まっすぐ上下に切ってしまうと、傷が目立ってしまいます。ですから、なるべく傷が目立ちにくく治るように斜めに切るなど術前のデザインにも気を遣います。


術前
術前

次の方は、同じ場所ですが、男性で皮膚が伸びにくく、柄も大きいという点が異なります。

しかし、このような方も1回での切除が可能です(写真3,4)。

術後
術後

このような場合も単純に直線に切除するだけでなく、ジグザグやカーブを利用するという特殊な方法で切除することにより傷が目立ちにくく治ることが期待できます。

抜糸直後
抜糸直後

この方の抜糸直後(写真5)をお見せしますが、比較していただくと、
このように少しずつ傷が落ち着いていくというのがお分かり頂けると思います。

いつも書きますが、どのような手術でも担当医の手術技量というものが手術の結果を左右します。たかが切除、されど切除。担当医の技量を見極めたうえで手術を受けられることをお勧めいたします。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。