美容外科話

COLUMN

小鼻縮小
第137話

小鼻縮小(内側切除)のデザインと効果

小鼻縮小の話は、今まで何回か書いたことがありますが、今回は、“微妙な変化を出してほしい”とのご要望でしたので、このデザインで、どのくらいの変化が出るのかをご紹介したいと思います。この話にお写真を提供していただいた方に、この場をお借りして、深く感謝いたします。
BeforeBefore
AfterAfter

まず術前と術後1ヶ月の状態です。術前(写真1, 2)と術後(写真3, 4)の状態変化が若干であることがお分かりいただけると思いますが、小鼻の張りが少なくなって、何となくすっきりしたのがお分かりいただけると思います。以前にご説明しましたが、術式の選択は、小鼻がどの程度大きいかによると思います。その大きさにより小鼻を内側だけ切るか外側まで切るのかを使い分けます。したがって先生によって、術式が変わる手術の一つです。また患者さんの希望が、大きく切除しなければ実現しないような場合は、全切開の適応となります。

After
術前に患者さんとよく相談し、どれくらいを切除するかを決めますが、術後の状態を示しにくいので、説明には苦労します。また切除する皮膚のデザインでは、カーブの程度等に術者の好みやセンスが反映されると思います。この方のデザインをお見せしますが、ペンで書いた部分を切除しています(写真5, 6)。
After
手術は局所麻酔下に行います。デザイン部分を切除した後に縫合していくわけですが、この縫合に若干のコツが必要で、慣れないと鼻が歪んでしまう場合があります。また傷が鼻の外側に付きますので、丁寧に縫合しないと傷が目立ってしまいます。このように、この手術は、デザインから縫合まで“医者の好みと腕が出る“手術だと思います。
今回の方は、小鼻を若干変化させたいとのことでしたので、このようなデザインにしましたが、術者としては“もう少し切りたかった”気がしなくもありません。ただし、美容手術の主体は、あくまで患者さんご本人ですので、ご本人のご希望をよく聞いてデザインするのが最も大事です。いつも書いているように、術前診察で、“デザインを煮詰める”ことも大事な作業だと思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。