人中短縮術は、術式としてはマイナーで受ける方も少ないためか、あまり説明されているものを目にしません。ただ、そのためか、当院では時々質問を受ける手術ですので、この術式の流れを全体的ご紹介したいと思います。この写真はモニターの方にご協力いただきましたので、この場をお借りして深く感謝いたします。
例によって、これは私の手術ですが、比較的施設によっての違いが無いものだと思います。
まず、術前(写真1)と術後2週間(写真2)の状態を比較していただきたいと思います。若干の変化ですが、なんとなくすっきりした感じが出ているのがお分かりいただけると思います。この手術で、どこをどのようにしたかが一番大事だと思いますので、デザインをお見せいたします(写真3)。黒いペンで囲んだ部分が切除する範囲です。切除範囲は、このように小さいので、大きな効果は望めないのですが、この術式の効果は、顔がなんとなくしまって見える、上口唇が若干上に引っ張られる為に若く見えるということだと思います。
私は、術後は腫れませんなどと説明していましたが、この方に“上口唇まで腫れました”と言われてしまったので、腫れる期間は短いですよと説明語を変えました。ご自分で、鼻の下が長くて間が抜けた感じがすると思うような方には適応があると思いますが、先に述べたように5mmという非常に小さい変化ですので、この手術の存在価値はよく検討される必要があると思います。