美容外科話

COLUMN

目の他院修正手術

下眼瞼の『アッカンベー』を治す!

まず、今回御協力いただいたボランティアの方に、この場をお借りして深く感謝いたします。

近年、美容外科の普及と共に当院で修正手術を希望される方にお会いする機会が多くなりました。

一般の方の認識では、『美容外科の手術は、どこで受けても綺麗になる』というイメージがあるためか、地理的な理由、金銭的な理由等で担当医を決めてしまうことも多いようです。

大切な事は、その担当医が、どのように手術をするのかをよく見極めることだと思います。

今回は、『目の下のたるみをとる手術を受けたが、アッカンベーになってしまった』という方をご紹介したいと思います。

まず、術前の状態を御覧に入れたいと思います。

外側の下眼瞼が下がってしまい、右目は、結膜が見えてしまっています。

BEFORE
術前の状態です。
AFTER
術後2週間の状態です。

よく、下眼瞼の修正手術で植皮のみで対応している医療施設を目にすることも有りますが、この方は、植皮のみでは対応することが出来ません。

この事をご説明したいと思います。


下眼瞼の修正手術は植皮のみでは対応できない

右目の写真をご覧頂きたいと思います(写真3)。

大きな矢印で示したように下眼瞼の縁が下がっています。

また、細い矢印で示した部分の靭帯が外れて、皮膚のみでつながっている状態です。

これはハンモックで例えると、つってある紐の一方が取れてしまい、片側が落ちてしまっているような状態です。

体と異なるのは、皮膚があるために、完全に落ちていないという感じでしょうか。

また、左目は、黒目とまつ毛までの距離が開いてしまい、『皮膚が足りないことによるアッカンベー』である事が分かります(写真4)。

このような場合の修正手術は、左右で起こっている現象と、その原因が異なりますので、左右で違う修正方法を同時に行う必要性があります。

まず、右目ですが、
1.外れてしまっている靭帯の位置を治す
2.靭帯の位置修正のみで足りない部分の植皮を行うということを行います。

これを植皮のみで対応すると、引き上げる部分が外れてしまっているために、結膜が見えているという症状が改善しないという状況になってしまいます。

左目は、靭帯の位置には問題ないのですが、下に引っ張られているために、この力を相殺するように瞼板を形成します。

またこの時に少し皮膚が切除できますので、
3.瞼板形成術を行う
4.皮膚を採取し、反対側の植皮に使う
という複雑な治療計画を立てました。

術中の状態をお見せします。

ピンセットで持ち上げているのですが、組織が硬く引っ張り上げるのが難しいのがお分かりいただけますでしょうか?(写真5)

これらを修正した直後の状態をお見せします(写真6)。

術後2週間の状態をお見せします。まだ腫れが残っていますが、正面から見ると、アッカンベーになっていた部分が改善したことがお分かりいただけると思います(写真7)。

術後2週間の状態をお見せします。

まだ腫れが残っていますが、正面から見ると、アッカンベーになっていた部分が改善したことがお分かりいただけると思います(写真7)。

また、斜めから見ると、目尻の靭帯の位置が治り、目尻が引きあがったのもお分かりいただけると思います(写真8, 9)。

言葉にすると簡単ですが、靭帯移動、植皮等は、非常に高度な技術が要求されます

このような状況になった場合に、修正担当医を間違えると、改善しないばかりか悪化することも十分考えられます。

目の他院修正のその他の施術例はこちらにまとめております。

最近は、『修正症例は是非当院で』というような医療機関も増えましたが、修正手術は、非常に高度な技術が要求されますので、その医師が担当した『実際の症例写真を見る』などして、担当医は慎重に選んでいただきたいと思います。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/face/#eye

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
http://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
http://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。
https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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