人中短縮術（リップリフト）で、唇が変な形にならないですか？

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。

人中短縮術で、『唇が富士山型にならないですか？』という質問はよく受けます。確かに中央部が中心に引きあがりますので、上口唇の形状は変わりますが、これも『デザイン』によって、異なりますので、デザインを含めてご紹介したいと思います。 術前（写真1）と術後3か月（写真2）の正面の状態変化を比較していただきたいと思います。いかがでしょうか？

BEFORE

AFTER

上口唇の形状が変わっていますが不自然な状態には、なっていません。

斜めから見て頂いても、上口唇の形状が術前（写真3）と術後3か月（写真４）で不自然には仕上がっていません。

傷についてもご質問を受けることが多いので、下から見た術後3か月の状態をお見せします（写真５）。

実際にどれくらい切ったのかを、定規を添えてお見せしたいと思います。この方の場合、約5mm程度の切除幅です（写真６）。これをデザインする際に小鼻の下も切除しないと、富士山型の上口唇になってしまいます。

また、『切りすぎて口が閉まらない』『切りすぎて口が動かし難い』という状態にならないように気を付けることも大事です。

術式としては、いつも書きますが切って縫うだけの手術ですので、この切除幅、切除するデザイン、縫合技術が重要になると思います。特に、縫合では、血流を妨げない程度に、丁寧に縫い合わせることが必要で、皮膚の中で縫い合わせる『真皮縫合』という技術が肝です。

また、患者さんには、『上口唇が長期間腫れませんか？』という御質問も受けますが、これも医療機関による術式の違いで起こる可能性があります。術後抜糸時の状態（写真7, 8）をお見せしますので、ご参考にして頂きたいと思います。

いつも同じようなことを書きますが、各医療機関、担当医によって、『それぞれのやり方』があります。どのような経過をとるのかも術前によく確認されることをお勧めします。