最近、異物が気になるので鼻のシリコンを抜きたいという方が多くなり、以前の手術から10年以上経過した方にお会いすることも稀ではなくなりました。
今回は、シリコンは抜きたいが、あまり変化が分からないように仕上げていただきたいとのご依頼の方をご紹介します。
術後1か月の状態をお見せしますが、あまり感じが変わらずに仕上がったのがお分かりいただけるのではないでしょうか。
この場合、まず考えなければいけないのが、すべてを自家組織に変えるのか、あるいは、部分的に自家組織を使い、同じ感じに仕上げることが可能なのかということです。
これを術前に診断することは、至難の業で、考えられる状況を患者さんにご説明した上で、手術計画を立てます。
この方の場合、L字型のシリコンが挿入されていることが触診上判別でき、全体に高さがあるものの、鼻先の形状が上を向いているアップノーズの状態でした。
そこで、鼻先の高さをきちんと確保しながら、鼻根部の高さを出せば同じような結果が出せると考えました。
したがって手術計画として
1.シリコンの取出し
2.鼻先の軟骨を縛り、軟骨を移植して高さを出す
3.鼻根部には耳の軟骨を移植する
という計画を立てました。
鼻先の軟骨移植には、あまり大きな軟骨が必要ないのですが、鼻筋に使うとなると、比較的多く必要になりますので、 最小限の軟骨で最大限の効果が出るようにデザインしなくてはなりません。
この方の鼻根部の移植軟骨をお見せしますが、形状の違うものを上手く重ね合わせて高さを出すようにしてあります。
このあたりは医師というか職人としての腕の見せ所です。
この方に挿入されていたシリコンをお見せしますが、L字型のシリコンが入っており『鼻に対してシリコンが長すぎたために鼻の中で浮いた状況になり、鼻先を上に押し上げていたのが分かりました。
さて、このように大きな手術をした場合の腫れはどの程度なのでしょうか?
参考までに術後5日目の状態をお見せしますが、このように腫れます。
修正手術の場合は、術式も先生によって異なることがあります。
術前に担当医とよくご相談の上、手術計画を立てられることをお勧めします。
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