美容外科話

COLUMN

目頭切開
第132話

目頭切開の縫合

目頭切開の話は、何回も書いているので、新しいことは何もないのですが、先日術後の患者さんに“先生は縫い方を変えたのですか?”という鋭いご指摘を受けましたので、今回は私の最近の縫い方をご紹介しようかと思います。また、この方は術後に“皮下出血”が出来ましたので、これも合わせてご紹介しようかと思います。この話にお写真を提供して頂いたモニターの方にはこの場をお借りして深く感謝したいと思います。
BeforeBefore
AfterAfter

まず、術前(写真1, 2)と術後1カ月(写真3, 4)の状態変化を比べていただきたいと思います。目頭の形が若干変わり“すっきりとした”のがお分かりいただけると思います。
この方の場合は術前の形に左右差がありますので、バランスを取るようにデザインをしています。術直後の糸が付いた状態をお見せします(写真5)が、以前に御紹介した写真よりは糸が増えていると思います。
以前の縫い方でも問題はなかったのですが、“より細かく調整ができる”可能性があるために、最近では細かく縫っています。このように、年ごとに同じ医者でも若干の変化や、時には、“改良”を加えています。これは、おそらくどの先生も同じだと思います。

この方の手術5日後抜糸時の状態(写真6)ですが、左目の“皮下出血”が起こり、腫れています。このため、目頭の形も膨らんだようになっています。平均的な術後経過と比較すると、この方は“腫れた”方だと思いますので、これから手術を受けられる方は参考にしていただければよろしいのではないかと思います。
After
手術で、どのように縫合するのか等は、“プロの領域”ですので、ご紹介する意味はあまりないと思いますが、今回は私のホームページを参考にしていただいている方からのご指摘でしたので、あえてご紹介しました。

相変わらず私の外来で、切開二重の他院修正等の方とお会いする事が多いのですが、術前の話の食い違いによるものも多いので、担当医との術前カウンセリングを大事にしていただきたいと思います。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。