美容外科話

COLUMN

二重切開
第118話

切開二重(6か月)の傷経過

第108話で出血した方の経過写真を御紹介しました。その後外来で、“あの方は最終的にどの位きれいになったのですか?”と何人かの方に質問されました。また、“切開二重のもう少し長期的な傷の経過を見せて欲しい”と言われることも多いので、今回は第108話の方の6ヶ月間の経過をお見せしようと思います。この話に写真掲載を許していただいているモニターの方には、この場をお借りして深く感謝いたします。

私の美容外科話では、現実的な事を皆様にお知らせすることが、目的ですので、このような方の長期的な経過を見るのは、非常に意味があるのではないでしょうか?
BeforeBefore
AfterAfter

まず術後1ヶ月の状態(写真1,2)と術後6カ月(写真3,4)をお見せいたします。術後1ヶ月では、皮下出血は消失しているものの、二重の幅が広く浮腫んだ感じでした。また閉眼時の傷も段差があるような感じでした。これらが6ヵ月を経過すると、二重の幅も狭くなり、傷の段差も消えて自然になっているのがお分かりいただけると思います。

After
途中経過の術後3ヶ月の状態をお見せしますが(写真5,6)、この時点では、かなり自然になってきているものの、二重の部分の皮膚が腫れぼったい感じがあるのと、傷の段差が若干目立つと思います。外来で、術後3カ月の時点で“もう少し変化しますので、次回は術後6カ月の時点で拝見させて下さい”とお願いしているのですが、“術後こんなに時間が経っているのにまだ変化するのですか?”と驚かれることがよくあります。しかし、このように写真でお見せすると6ケ月間は変化するのがお分かりいただけると思います。
After
現実的には、実際に6ヶ月後にいらしていただける事は少ないのですが、ご自分で判断されて私のとこに来る必要がないと理解しております。ですから、このような経過をご紹介できるのは非常にありがたいことだと思っています。
最近は、情報が飛び交い正しい情報も増えましたが、まだまだ誤った情報も数多く存在します。術前に患者さんとお話をしていると、“インターネットに書いてあったので”と言われることが多いのですが、いつも申し上げているように術前の担当医との打ち合わせを一番大事にして欲しいと思います。また、手術に過度に期待される方にも多くお会いするのですが、美容外科の手術は魔法ではありませんので、担当される医師の感性やデザインについては十分理解されるように納得されるまで術前診察を受けることが、術後の失敗を防ぐ大事な手段です。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。