美容外科話

COLUMN

鼻の複合手術(2つ以上の手術)
第127話

鼻尖形成(軟骨縫縮、軟骨移植)、鼻柱軟骨移植の経過

鼻尖形成の話は何回か書いていますが、鼻柱軟骨移植の話は書いていませんでしたので、今回はこれについてご紹介しようかと思います。今回の方もモニターの方ですので、この場をお借りして深く感謝いたします。

この方のご希望は、鼻尖を若干すっきりさせたいが、あまり大きな変化は望んでいないとの事でした。
まず、術前(写真1, 2, 3, 4)と術後1カ月(写真5, 6, 7, 8)の状態を比較していただきたいと思います。鼻先が、すっきりし、下から見上げた形が変化したのがお分かりいただけると思います。
BeforeBefore
AfterAfter

この方の鼻は、鼻柱の真中が凹んでいますが、写真4で見るとお分かりいただけると思います。また、このような方を街でよく見かけるので、想像はつきやすいのではないでしょうか?これは、左右の鼻翼軟骨がしっかりとしていて、軟骨どうしの距離があるためにその間が凹んでいる状態です。これを解消するために左右の鼻尖軟骨の間に軟骨を移植します。ちょうど凹んだ部分を穴埋めするようなイメージだと思います。

この方も耳の軟骨を使用しましたが、私は、耳の軟骨がカーブに富んでいて、鼻先の丸みを出すのに日本人には、適していると考えています。また、このように鼻柱に移植するときも若干の丸みがあった方が、人工的でなく自然だと思いますので、好んで使うようにしています。このように、軟骨の使い方にも担当医の考え方が出ますので、軟骨をどこから採取するかということも術前診察で相談する必要があります。

この手術の腫れですが、腫れている間は鼻尖から鼻柱にかけて丸くなったようになります。“鼻先をハチに刺されたような感じ”だと思います。この方の術後2週間の状態をお見せしますが
(写真9,10,11,12)、鼻尖だけの手術と大きな差がないのがお分かり頂けると思います。

鼻の手術は、大きな変化を出すと、日本人の顔として“あり得ない”状態になってしまうこともありますので、術前に担当医とよくご相談されることをお勧めいたします。

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。