まず、御協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深く感謝いたします。
二重のカウンセリングをしていると、『他院で手術を受けたのだが、もう少しはっきりとした感じの目元にしたい』とご要望される方にお会いすることがあります。
これは、美容整形手術の修正というよりも微調整の範囲の問題だと思います。
この方も他院で10年前に切開法を受けたが、もう少し幅を広げ、はっきりとした目元にしたいというご希望の方でした。
二重の幅を広げた施術例
術前と術後6か月の状態をお見せします。
この方の場合、二重の幅を広げるために、皮膚切除を行い、ぱっちりとした感じを出すために挙筋腱膜を少し前転させる処置(下垂処置、黒目処置、目力アップ処置)を行うことを計画しました。
少し余談になりますが、カッコの中に、黒目処置、目力アップ処置と書きましたが、これはいずれも医学的用語ではなく、一般の方に分かりやすいようにした用語です。
内容的には、『眼瞼下垂処置あるいは、挙筋腱膜前転術』という内容のものです。
術前の皮膚切除のデザインをお見せします。
案外皮膚を切除していることがお分かりいただけると思います。
術中の状態についても順追ってご説明したいと思います。
まず、皮膚切除後に眼輪筋という筋肉に切開を加え、中の状態を確認します。この方は、矢印で示した挙筋腱膜の位置が少しずれていたことが分かりました(写真4)。
手術にて、挙筋腱膜の位置を修復しました。
矢印で示した白いつるりとした部分が挙筋腱膜で、位置を変えたのがお分かりいただけますでしょうか?(写真5)
また挙筋腱膜の上に乗っている脂肪も若干切除し、目を開けやすくなるように工夫をしました。
ここで、今回は、『傷の経過』についてもお見せしたいと思います。
術後1か月(写真6)、術後4か月(写真7)、術後6か月(写真8)と比較していただくと、少しずつ変化し、改善しているのがお分かりいただけると思います。
比較のために術前の状態をお見せしますが、術後6か月の方が傷も平坦に落ち着いていると思います。
このように、手術は終わってからも経過を追う必要がありますので、担当医との信頼関係は非常に大事だと思います。
よく、『他の先生に見せたら、これ以上改善しないと言われた』というような患者さんにお会いすることも稀ではありません。
不安な気持ちは、想像に難くないのですが、口のうまい医者が『私ならもっと上手く治せる』と言って、悪化させられてしまうことさえあります。
手術は、口でするものではありません。
また、術後経過観察中に手術を行うというのは、『医者としての常識を疑ってしまう』こともあります。
こういう事態にならないためにも、担当医選びは慎重にしていただきたいと思います。
この手術は、術後に非常に腫れます。
特に術後3日間は、目が開かないくらい腫れることも稀ではありません。
術直後の状態だけでは、手術の結果を判断することは出来ませんので、この時期も医師との信頼関係を大切にして頂きたいと思います。