美容外科話

COLUMN

鼻の他院修正手術
第490話

鼻が尖りすぎちゃった!!

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。

この方は、他院にて鼻尖形成術、鼻尖部に耳介軟骨移植術を受けられた(ご本人申告)方です。鼻が高すぎる、左右差が気になるというのがご本人の相談内容でした。

早速、正面から見た術前(写真1)と術後6か月(写真2)を比較して頂きたいと思います。

写真で見ると変化が分かり難いかもしれません。

BEFORE
AFTER

下から見ていただくと、術前(写真3)と術後6か月(写真4)では、鼻先の尖り方が変わったことがよく分かると思います。このように、写真は、一方向からだけだと判断できないことが多いと思います。

横から見ていただいても、術前(写真5)は、鼻先が尖り、高すぎて不自然な感じになっていると思います。術後6か月(写真6)では、この不自然さは無くなっていると思います。

では、実際にどのような治療をしたのかを、順を追ってご紹介したいと思います。

手術は、『オープン法』を使用して、直視下に確認しながら行う必要があります。開けてみると、鼻柱が傾き(緑線)、鼻尖も傾いている(黄色線)ことがわかりました(写真7)。この原因として、鼻翼軟骨の位置関係が悪いことは容易に分かるのですが、なぜこの位置関係になったのかをきちんと検証する必要があります。

そこで、左右の鼻翼軟骨を分離する必要が生じます。

黄色い矢印で示したように鼻翼軟骨を外していくのですが、この時に軟骨を損傷しないように細心の注意を払う必要があります(写真8)。

左右の鼻翼軟骨を分離すると、鼻中隔に軟骨(矢印で示した部分)が移植されている『鼻中隔延長術』が行われていることが分かりました(写真9)。

ご本人が担当医から聞いていた術式とは異なることに驚きました。

この移植された軟骨を一部切除し、高さを整えた後に鼻翼軟骨を再固定し、鼻尖の形状を整えました。

鼻尖全体の形状が整ったことがお分かり頂けるはずです(写真10)。

この後、皮膚を戻し、形状をチェックするのですが、一部凹んだ部分が確認出来たので、先に切除した軟骨を『再利用』することにして、移植しました。

移植した部分が分かりやすいように皮膚の上に軟骨を置いた状態をお見せします(写真11)。

このように、『ちょっと尖った鼻を治すだけ』なのに、手術は、非常に難しく、手間のかかる物になってしまいます。

こうしたことが起こらないように、術前には担当医の『手術内容や美的感覚を症例写真から汲み取る』努力が必要であるだけでなく、きちんとした術前計画に基づき手術が行われているか(常識的に当たり前なのですが)をチェックすることも大事なのではないでしょうか。

施術名:鼻尖形成修正+鼻尖移植軟骨修正

手術料金:鼻尖形成修正¥445,500(税込み)+鼻尖移植軟骨修正¥440,000(税込み)+オープン法¥110,000

リスク:鼻先が一時的に硬くなり、触ると痛みがある。

鼻尖形成術、耳介軟骨移植術で尖りすぎた!!

この方は、他院にて、鼻尖形成術、耳介軟骨移植術を受けられ、鼻先のとがり過ぎ、高過ぎが気になり、ご相談にいらっしゃいました。

術前、術後の変化をご覧頂いた上で、ご説明をしたいと思います。

正面から見た術前(写真1)と術後6か月の状態(写真2)では、大きな変化が感じられないかもしれません。

BEFORE
AFTER

横顔で比較して頂くと、術前(写真3)と術後6か月(写真4)では、矢印で示した部分の尖りが改善したことがお分かり頂けると思います。

また、斜めから見た術前(写真5)と術後6か月(写真6)の状態を比較して頂くと鼻先の雰囲気も変わり、

これが下からの状態比較で、術前(写真7)と術後6か月(写真8)の鼻先の形状変化に依るものであることが容易に理解できると思います。

さて、この方の手術ですが、韓国の美容外科で受けられており、ご本人からお聞きした術式をもとに、オープン法による、鼻尖形成修正術、移植軟骨修正術を計画しました。

しかし、手術してみると、鼻尖部に軟骨移植はされておらず、鼻尖部が癒着で一塊になっていただけでした。

写真中に緑色の線を書きましたが、この部分が、通常よりも太く、鼻中隔延長術が施行されているのでないかと疑いました(写真9)。 縫合されていた鼻翼軟骨を丁寧に剥離し、鼻中隔を露出後、移植されていた軟骨(写真の中の矢印で示したピンセットでつかんでいる部分)を確認し、施行されていた手術が、鼻中隔延長術であることが分かりました(写真10)。

この鼻中隔延長術に使われていた軟骨を一部切除し、一部は加工して、鼻尖の形状を整えるために、再移植しました(写真11)。

最近、韓国で手術を受けられた方の修正手術をしてみると、このように、ご本人が聞いていた術式と行われた術式が相違しているという現象に遭遇することも稀ではありません。

患者さんからすると『騙された』と感じるようですが、もしかすると、通訳の方が、術式を勘違いして訳しているのかもしれません。

他国で手術を受ける際は、このような差異が出ないのかを入念に調べる必要があります。

また『韓国の先生に自然な仕上がりとお願いしたのに』と嘆く方にお会いすることも珍しくないのですが、『自然』という感覚は、担当医によっても違いますし、民族が違えば、その違いが大きくなることも当然です。

関連動画はこちらです。※出血シーンがございますので閲覧にはお気を付けください。

施術名:手術名:鼻尖形成修正+鼻尖移植軟骨修正

手術料金:鼻尖形成修正¥445,500(税込み)+鼻尖移植軟骨修正¥440,000(税込み

他院鼻手術の修正。移植軟骨が!!

また、他院で既に診察を受けられていて、驚くべきコメントを他医師からされているという事も珍しくありません。

今回は、他院にて鼻尖形成(軟骨移植+鼻翼軟骨縫縮術?)を受けられ、鼻尖(鼻先)が非常に尖ってしまったという方をご紹介したいと思います。

まず、術前と術後1か月の状態の変化を比較していただきたいと思います。

BEFORE
術前(写真1)
AFTER
術後1ヵ月(写真2)

尖っていた鼻が丸みを帯びて『自然な感じ』に改善しているのがお分かりいただけると思います(写真1, 2 )


術前(写真3)術後1ヵ月(写真4) 術前(写真5)術後1ヵ月(写真6) 術前(写真7)術後1ヵ月(写真8)
術前(写真3)術後1ヵ月(写真4)
術前(写真5)術後1ヵ月(写真6)
術前(写真7)術後1ヵ月(写真8)

このような場合、鼻尖に移植した軟骨が多すぎるので、『移植した軟骨を摘出すれば治る』とコメントする医師もいるようです。

しかし、移植した軟骨を単純に取り除いただけでは、鼻先(鼻尖)が凹んで変形治癒してしまうことも珍しくありません。

しかし、修正手術をする者が、初回手術の担当医で、手術した軟骨の形状、移植位置、厚さ等が明確に分かっている場合はこの限りではありません。

つまり、『初回担当医だけが、移植軟骨を取り除くだけで調整することが出来るかもしれない』という事になります。

前医での手術内容が鮮明でない場合には、オープン法という鼻柱を切ることによる鼻尖の中の状態をよく評価出来得る方法を選択します。

術中(写真9.10)
術中(写真9.10)

手術中の所見をご紹介したいと思います。

黄色い矢印で示した部分が鼻先(鼻尖)に移植された軟骨ですが、黄緑色の矢印で示した部分が鼻翼軟骨で、左右を縛り合わせて中央に寄せられているというのがお分かりいただけると思います(写真9)。

この方の場合は、移植軟骨を取り除いただけでは、鼻翼軟骨の形状が表面に出てしまい、下から見ると台形のような形の鼻先(鼻尖)になってしまう可能性が非常に高いと思います。

左右の鼻翼軟骨を少しずつ剥がし、再度、形状を調整しながら固定し直す必要があります。

この、一度癒着してしまった軟骨を少しずつ剥がしていくという操作に熟練した技術が必要です。軟骨を剝がしている状態を御覧に入れます(写真10)。

さて、こうして軟骨同士の位置を修正した後に、形状がどのように改善したかを確認して、傷を縫い合わせて、手術を終了とします。

言葉にすると非常に簡単になってしまうのですが、一塊となった軟骨を、少しずつ元の軟骨に分けられるか否かがこの手術の成功のカギを握っていると思います。

抜糸時(写真11.12.13.14)
抜糸時(写真11.12.13.14)

さて、手術後の腫れについて、ご紹介したいと思います。

手術では、鼻先(鼻尖)のみしか触りませんので、鼻根部には腫れが 波及しないことがほとんどです。

このため、マスクさえしていれば、他人には気が付かれないと思います。

写真は、術後1週間、抜糸時の状態ですので、ご参考になれば幸いです(写真11, 12, 13, 14)。

修正手術をしていると、いつも同じことを思いますが、修正手術を受ける必要がないように、担当医の『術式』『技能』と自分のリクエストが合っているかを検討して、担当医を決めることが非常に大事だと思います。

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
http://dr-yamamoto.com/cost/

もう少し何とかしたい!他院鼻修正術。

今回ご紹介するのは、他院にて鼻尖部に耳介軟骨移植を受けられ、BNSL注射を何回か受けられた方の当院での修正手術です。

この方は、他院にて手術を受けたけれども、鼻の形が全体的に気になるので、全体的に少しすっきりとするように変えて欲しいというのがご希望でした。

鼻尖の形状が太かったために、鼻尖をすっきりとさせる修正手術、小鼻縮小術を同時に計画しました。

鼻尖は、鼻翼軟骨の位置関係を修正し、移植された軟骨を再度使用して位置、形状を変更することとしました。

耳介軟骨移植を修正し、全体的にすっきりとさせた症例

では、術前、術後3か月の変化をお見せします。

BEFORE
術前(写真1)
AFTER
術後3カ月(写真2)

まず、正面の状態ですが、何となく鼻全体がほっそりした感じに変わったのがお分かりいただけますでしょうか?(写真1, 2)


術前(写真3)術後3カ月(写真4)
術前(写真3)術後3カ月(写真4)

斜めから見ると、鼻先のボリューム感が減少したのがお分かりいただけると思います(写真3, 4)。

術前(写真5)術後3カ月(写真6)
術前(写真5)術後3カ月(写真6)

横から見ると、小鼻の一番下の高さが少し上がっている(写真の矢印部分)のがお分かりいただけるはずです(写真5, 6)。

処置前(写真7)
処置前(写真7)

小鼻縮小術の方法につきましては、いつも書いていますので、今回は省略させて頂き、鼻尖部の修正手術をどのように施行したかをご説明したいと思います。

お見せするのが、術中に私が何も処理していない状態です(写真7)。

矢印で示した部分が移植されていた軟骨です。

移植軟骨の幅が広く、鼻尖の横幅が大きく見えていたのは、これが原因と考えました。

この後、この軟骨を一度摘出し、鼻翼軟骨を処理しました。

鼻翼軟骨を処理することにより、土台の部分を少し細くすることが出来ます。

処置後(写真8)
処置後(写真8)

少し分かり難いかもしれませんが、塗りつぶしていない矢印で示した部分が左右の鼻翼軟骨で、このように寄せます。

次に先に取り出した軟骨を加工してサイズダウンさせた物を再度移植します。移植した軟骨は塗りつぶした矢印で示しました(写真8)。

このように修正手術では、一度各部品に分けてから、再構築するという作業を行いますが、手術により癒着した組織を『剥離する』という作業は非常に大変です。

移植されていた軟骨を細心の注意を払わずに扱うと、軟骨が痛んで使い物にならなくなってしまいますし、鼻翼軟骨も丁寧に処理しないと、形が崩れてしまい、再構築することが非常に難しくなってしまいます。

このような点が『修正手術は難しい』とされている点です。

手術直後(写真9)
手術直後(写真9)

最後に手術直後の状態をお見せしておきたいと思います(写真9)ので、手術を考えられている方のご参考になれば幸いです。

手術後の腫れについてはブログにてご紹介しております。
https://ameblo.jp/dr-y-yamamoto/entry-12600793308.html

小鼻縮小術修正に大事なデザインについてご紹介しております。
https://note.com/yamamotoclinic/n/n40201111ccc3

※出血シーンがございますので、閲覧にはお気を付けください。

施術名:鼻尖形成術修正(移植物位置修正)+小鼻縮小術(鼻翼縮小術)

施術内容:鼻尖形成術修正にて前医で行った耳介軟骨移植を摘出し、鼻尖を形状を小さくした上で、摘出した軟骨を移植し、小鼻縮小にて小鼻を小さくする。

副作用(リスク):手術後の腫れ・皮下出血の可能性がある

施術料金:鼻尖形成修正(移植物修正)¥440,000税込(モニター¥374,000税込)
     小鼻縮小¥297,000税込(モニター¥237,600)税込

治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
https://dr-yamamoto.com/cost/face/#nose

ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
https://dr-yamamoto.com/contact/

また、スタッフブログもぜひご覧下さい。
http://ameblo.jp/yamaclistaff

当院のインタグラムのページもありますので、よろしければご覧下さい。
https://www.instagram.com/shinjyuku.yamamotoclinic/

『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。

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