ず、御協力いただいたモニターの方にこの場をお借りして深く感謝いたします。
今回ご紹介させていただく方は、他院にて二重切開を受けたが、眠そうな感じの顔になってしまったので、治して欲しいというのがご希望でした。
まず、術前と術後3か月の状態を比較していただきたいと思います。
眠そうな感じが改善されて、ぱっちりとした感じに変わったのがお分かりいただけると思います(写真1, 2)。
他院にて全切開重瞼術、いわゆる切る二重手術にて『失敗された』という方にお会いすることは、当院では珍しくありません。
ほぼ毎日といっても良い程、このような方にお会いすると、どれだけ失敗が多いのかと誤解してしまいそうですが、それ以上に美容外科医が増え、手術されるということが一般の方に浸透したのかなとも考えたります。
そうした中で、『修正手術』を手掛ける医師も増え、前医が『余分なことをしてくれた』ために、状況が複雑化した患者さんが私の所にも多くいらっしゃるようになりました。
この方の症状の原因は、目を開ける『挙筋腱膜』という部分が壊れてしまっていますので、この部分を修理することを念頭に入れた手術計画を立てます。
よく他院のカウンセリングで『浮腫んだ部分の皮膚を切除して縫い直しましょう』という治療方法を提示されたとおっしゃる方にお会いすることも珍しくありません。
しかし、『その方法では、絶対に改善しない』ということを患者さんにも認識して欲しいのですが、そのようなコメントをする医師には、再度勉強して欲しいとも思います。
ちょっと、語気が強くなってしまいましたが、手術は最小限の皮膚切除で行います。
先に述べたような皮膚を切り取ってしまう方法を行う医師に担当されると、改善しないばかりが、皮膚が足りなくなってしまい、目が閉まらなくなってしまいます。
私の手術デザインをお見せします(写真3)。
手術は、『いかに出血させずに手術を行えるのか』という点が、担当医の腕の見せ所ですが、癒着で一体化した組織を出血少なく手術するというのは、非常に高度な技術が要求されます。
では、手術中の所見です。
皮膚切開を加えると、眼輪筋が見えます。
この時点では、問題となる部分が指摘できないのが、一般的です(写真4)。
眼輪筋に切開を加えると、通常見えるはずの挙筋腱膜が瞼板より外れてしまって上方向に移動(下方向のオレンジ色矢印)してしまっています。
また、見えるはずのない瞼板(上下の⇔、右方向の黄緑色の⇒)が露出してしまっています(写真5)。
これらの解剖学的な位置を元に戻すために、一度バラバラにして整理する必要があります。
黄緑色の矢印で示した部分が挙筋腱膜、上下の矢印で示した部分がミュラー筋、黄色い矢印で示した部分が瞼板です。
こうした構造に出血を抑えながらに整理するというのは、非常に骨が折れますが、医者の腕が非常に影響する部分で、結果に直接的な影響を与えます(写真6)。
こうした後にピンセットでつまんだ挙筋腱膜を下げるように引っ張り出し、元の位置に再固定するという手術を行い、目の開き方を調整します。
また、この作業に時間がかかりすぎると、組織が浮腫んでしまうので、手際よく最短の時間で仕上げる必要もあります(写真7)。
次に、術後5日目、抜糸時の状態ですが、これだけ複雑な手術を行うと非常に腫れます。
また、手術中に出血を最小限に抑えても、この程度の皮下出血は出てしまいます(写真8)。
修正手術は、経過に時間がかかるということは、認識していただけるようになって来たのですが、術後1か月の状態をお見せしますので、どの程度の状況になってしまうのかご参考にしていただけたらと思います(写真9)。
最近は、『修正症例は是非当院で』というような医療機関も増えましたが、目の修正手術は、何回も出来るものではありません。
また、その手術には、非常に高度な技術と経験年数が要求されます。
診察を受けた後は、その医師が担当した『実際の症例写真を見る』などして、担当医は慎重に選んでいただきたいと思います。
治療費、施術費に関しては、こちらを御覧下さい。
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