美容外科話

COLUMN

鼻の他院修正手術
第323話

同じ術式でもこんなに違う!!他院シリコン(プロテーゼ)隆鼻術を修正する!!

はじめに、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深く感謝いたします。

最近、当院では、他院にてシリコン(プロテーゼ)隆鼻術を受けたのだけれども、ちょっと。。。という方が増えました。

患者さんからは、『他院では、シリコンが飛び出さないように安全な入れ方をしたから』と前医から説明を受けたというお話を聞くことも稀ではありません。

今回は、『シリコン(プロテーゼ)が短すぎたために?なんとなくすっきりしない方』をご紹介したいと思います。

まず、術前と術後1か月の正面状態を比較していただきたいと思います(写真1, 2)。

BEFORE
術前(写真1)
AFTER
術後(写真2)

何が変わったの?と思われるかもしれませんが、鼻尖部の形状が変化しています。


術前(写真3)・術前斜め(写真4)・術後斜め(写真5)
術前(写真3)・術前斜め(写真4)・術後斜め(写真5)

少し分かり易いように術前の状態に線を記入いたものをお見せします。

黄色い線で示したように、鼻尖部のシリコン(プロテーゼ)の位置が左側に少し傾いていることと、緑の線で示したように、シリコン(プロテーゼ)の境界が見えるというのがこの方の問題でした(写真3)。

斜めの角度を見て頂くと、全体的な雰囲気が少し変わり、すっきりした感じになったということが、お分かりいただけるのではないでしょうか?(写真4, 5)。

術前(写真6)・術後(写真7) 他院シリコン(写真8)・当院シリコン(写真9)
術前(写真6)・術後(写真7) 他院シリコン(写真8)
・当院シリコン(写真9)

また、横から見ると、『鼻先の形と高さが少し変わった』のも、お分かりいただけるはずです(写真6, 7)。

実際に他院で挿入されていたシリコン(プロテーゼ)(写真8)と私が入れ替えたリコン(プロテーゼ)(写真9)を比較していただきたいと思います。

挿入されていたシリコン(プロテーゼ)の端の部分で、境界が見えていたことがお分かりいただけるはずです。

しかし、鼻先までシリコン(プロテーゼ)を入れないという術式は、一般的に行われていますので、前医が悪かったのか否かは、議論すべきところではない気もしますが、このように短いシリコン(プロテーゼ)を挿入したことにより、このようなに形状が外から分かってしまうという可能性があるということは、患者さんにも知って頂きたいと思います。

術後正面(写真10)・術後斜め(写真11)
術後正面(写真10)・術後斜め(写真11)

さて、術後の腫れ方について御紹介したいと思います。前にも書きましたが、このような場合は、前医でのシリコン(プロテーゼ)が容易に抜けるかが腫れ方に大きく影響しますので、個人差がかなり出てしまいます。

この方の場合が、参考にはなると思われますので、術後5日目の抜糸時の状態をお見せします(写真10, 11)。

私の印象としては、再手術の方としては、腫れが少ない方だと思います。

いつも同じことを書いていますが、同じ名前の手術でも担当によっては、別物です。

担当医の感性によっては、『シリコン(プロテーゼ)の形状』も変化してしまいますので、担当医が、どのような考え方をして手術をしているのかを知ることは、非常に重要です。

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『美容外科話』著者

  • 山本 豊【山本クリニック院長】

    1992年 東京医科大学卒業。2004年8月 山本クリニック設立。
    美容外科の手術を中心に行っているクリニック。 他院手術トラブル修正手術、海外で受けた修正手術にも対応している。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会 元指導医。医療法人社団 豊季会 理事長。資格:医学博士(甲種)、日本外科学会認定医、日本アンチエイジング外科学会 名誉理事、JAASアカデミー最高指導医。