まず、御協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深く感謝いたします。
今回ご紹介するのは、眼瞼下垂手術です。
眼瞼下垂手術に関しては、『保険適応がありますか?』という質問を患者さんから受けることも多いので、このことについて書きながら今回の方をご紹介したいと思います。
保険診療と自費診療について
まず、保険診療というのは、『健康でない状態を健康である状態に戻す』ことが主眼であるという事を理解していただきたいと思います。
したがって、『綺麗な二重に』『二重幅を何ミリで』『二重の形は、末広がり型で』というような形のオーダーには応えなくても良いというのが大前提です。
この点を踏まえ、術前に、『形状の変化については一切請け負わない』というような文面にサインをさせている医療機関もあります。
中には、担当医のこだわりから『形状』についても好みを聞いている医療機関もありますが、これは担当医の『サービス』と言い換える事も出来ると思います。
イメージとしては、外科の医師が内蔵の手術をして、治療するのに似ていて、皮膚を切開し、中の開瞼の能力に関わる腱膜や筋肉を治すことに主眼を置いているのです。
したがって、皮膚切除をせずに、『皮膚切開』で、手術を終了とするという考え方をしている医療機関も多いと思います。
これに対して、自費診療では、『綺麗に仕上げる』という事、『ご本人の希望に合う形状に仕上げる』という点に注力されるのではないでしょうか。
もちろん、先述したように、保険診療でも『綺麗にこだわる』先生方もいらっしゃいますので、術前にどのような考え方をしている担当医なのかを確認する必要性があります。
当院は、保険診療の取り扱いがありませんので、患者さんに保険適応が有るか無いという事は、健康保険取り扱いの医療機関で診察を受けられるようにお願いします。
保険診療の概念をご紹介しましたので、今回の方のご紹介に入りたいと思います。
重い一重の眼瞼下垂手術の術前術後比較
術前(写真1)と術後3か月(写真2)の状態を比較していただきたいと思います。
眼瞼下垂手術のデザインについて
この方は、自然でさりげない変化の範囲で手術をして欲しいという御要望でしたので、黒目の見え方を改善させると同時に、二重の幅を狭めにデザインしました。
閉瞼時の術前(写真3)と術後3か月(写真4)を比較していただくと、傷の赤みが残っているものの、傷の凹みはほとんどなく仕上がっている事がお分かりいただけるはずです。
どの程度の幅で、二重を作ったのか、また皮膚切除をどの程度したのかをデザインでお見せします(写真5)。
術中の様子について
この方は、上眼窩脂肪が多く、開瞼の際に『重り』のように作用してしまいますので、このような場合は、『すっきりさせる』という目的よりも『重い分だけ軽くする』という概念で脂肪を切除しています。
この脂肪切除に関しても担当医の感性が現れるところだと思います(写真6)。
次に挙筋腱膜とミュラー筋を分けて挙筋腱膜を移動するという作業に入るのですが、この時に如何に出血させずに手術を勧めるのかというのが大事です。
写真の中で黄色い矢印で示した部分が挙筋腱膜、黄緑色の矢印で示した部分がミュラー筋で、ほとんど出血させていないことがお分かりいただけますでしょうか(写真7)。
この後に挙筋腱膜を固定し、二重の作成をするのですが、写真の矢印で示した皮膚の縁の部分をどのように縫合していくかで『術後に傷が凹むか否かが決まる』と考えています(写真8)。
また、挙筋腱膜の固定位置は、目の表情に大きく関わりますので、座位、臥位(寝た姿勢)を繰り返しながら微調整にいます。
このような微調整をするために、当院では、患者さんが寝てしまう静脈麻酔下での眼瞼下垂手術は請け負えませんので、予めご了承頂きたいと思います。
この方の腫れの落ち着き方や経過に関しては、私の個人ブログにてご紹介予定ですので、そちらも併せてご覧いただければ幸いです。
いつも同じことを書いていますが、同じ手術名の『眼瞼下垂手術』であっても、皮膚切除をしたりしなかったり、脂肪切除をしたりしなかったり、また患者さんを寝かしてしまって、開閉瞼をせずに手術したりと、様々です。術前に、その担当医がどのような考えで手術をしているのかをきちんとご確認されることを強くお勧めします。
※出血シーンがございますので閲覧にはお気を付けください。
施術名:眼瞼下垂
施術内容:この方の場合、自然でさりげない変化の範囲で手術をして欲しいという御要望でした。
副作用(リスク):腫れが長引くことがある
施術料金:眼瞼下垂(二重形成を含む)通常料金¥462,000、モニター¥369,600(税込)
ご質問がある方は、こちらまでメールを頂きたいと思います。私が責任をもって拝読させていただいておりますが、時間の関係上、スタッフが返信を書かせて頂いております。
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この方は、自然でさりげない変化の範囲で手術をして欲しいという御要望でした。